東川篤哉『館島』創元推理文庫 2008.7 読了。
フェア中なのか何なのか、このレーベルのはまあ信用できるので、買ってみた。いくつか読んでいるが、あまり感心しないものばかりであった。ユーモア本格というむずかしい分野に挑戦しているからである。
しかしこれはよかった。なぜ年代が今からずいぶん前に設定されているのか。それが最後の最後の真相でわかってくる。そしてその真相は絶対見破れないぐらいの驚愕トリックであった。しかしこれは見抜けないのも仕方ない。それがそのようになるとは1次元や2次元では想像できないからである。
文中の主人公の馬鹿な行動はあまり必要ないのではないか。普通にシリアスに書いてもらっても、いっこうに構わないのでは。
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和田秀樹『1分間をムダにしない技術』PHP新書、2009.7 読了。
この人の本はスナック菓子のようであるから、買って読むことが多い。ただしもうエッセンスは尽きているから、いまさら新しいことはほとんどないのであるが。だいたい年間40冊も執筆しているというから、そんなに濃いものがかけるわけがない。
いくら自分が灘高校では劣等生だからと言っても、現役で理科III類に受かってしまえば、説得力がない。灘に入れた時点ですでに人と違うのである。それにしても映画監督になりたいから、まず医者になって金を稼ぎ、そのために東大医学部に入る、という普通の人は考えそうにない思考法をしている。映画はよくできていたので、もう少し多くのところで公開されてほしいものだ。
まず最初はいかに自分が多忙であるかをアピール。確かに会社を経営し、大学教授となり、本も書き、映画も撮るというのでは、スーパーマンである。しかしそれでも必ず8時間は寝て、年に4回はアメリカに研修旅行に行き、必ずバカンスもとるというから、その時間の使い方は尋常ではない。
博多ラーメンが一番早く出てくる。細麺でゆであがるのが早いからである(109)。1分間スピーチは400字ほどなので、相当な内容を伝えられる(126)。スキマ時間があるはずなので、その時にすべきことをあらかじめ決めておく。例えば本や雑誌を常に携帯し、1分間のスキマでさっと読む(164)。会議に早めに着いたとき、その日に使う資料を1分間でざっと読む。これだけで打ち合わせの密度が段違いになる(188)。
この4カ所しかマークしなかった。全体としては物足りない。あまりに受験勉強から抜け出ていないので、かなり鼻につくが、同じ指向性を持っているならば少しは有用になる。
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ガンバ大阪2-3川崎フロンターレ。
久しぶりにクラブチームのサッカーを見た。中継をなかなかやっていないというのもあるが、とくにひいきのチームがあるわけではないので、なかなか見ないのである。しかし今回はアジア・チャンピオンズ・リーグの決勝トーナメントであるし、何よりも日本代表の司令塔が両方にいるので、見てみようということになった。録画であるが、夜からも中継がやっていたのも大きい。
ガンバの大きな有利かなと思っていた。その通りの展開。外国人選手があっさりと2点も決めてしまう。しかしフロンターレには中村憲剛がいた!! 今日は大活躍である。まず1点目はすばらしい。少し流れながら、思い切ってうつ。DFがいっぱいいたのだが、それをうまくブラインドとして使って、キーパーがとれない位置へ。すばらしいシュートであった。
2点目と3点目のアシストも完璧であった。とくに3点目。ここしかないというところ、DFを切り裂き、うまくFWに丁寧に渡す。あとは決めるだけであった。
途中まではガンバが押していたが、やはりけが人の影響であろう。川崎が布陣を変えたのも大きかったようだ。今回の敗因は安田であろう。2点とも、ここの側が崩されていて、戻り切れていないか、対応できなかったか。この弱点をつかれた。
それにしても日本チームどおしがベスト16で激突するとはもったいない。実際、4つあったチームが2つになってしまった。名古屋と川崎なので、短期には強いであろうが、アジア連覇はちょっとむずかしそうな気がする。ベスト8で散ったら、それも困る。Jリーグ王者の鹿島が敗れたのには驚いた。
中村憲剛を見よ。日本にもこんなプレーヤーがいる。
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優柔不断な柿柳です、こんばんは。
最近、大学生の犯罪が多いな・・・とお嘆きの貴兄に。
ちなみにこのフレーズは「最近の酒は甘いとお嘆きの貴兄に辛口のキクマサを贈ります」というれっきとした日本酒のCMなのであった。若い人はその事実を知らないであろうから、ここで明言しておく。というよりも、わたくしのふざけた文章は、だいたいにおいて「本歌取り」であったり、パロディであったりすることが多いのだが、オリジナルを知っていないと、単なるバカァ? というような扱いをうける。オリジナルを明示することは野暮なのだが、生活防衛のためにはやむを得ない。
というわけで大学生の犯罪である。ここで社会科学者がとる態度は決まっている。
はたして大学生の犯罪が増えたのか、という事実認定にまずかえる。非大学生の犯罪はどうなのよ、という発想をするだけで大丈夫。そして定点ではなく、時系列の比較を施せばなおよし。つまり過去の犯罪の絶対人数と比率を洗うのである。もちろん大学進学率も調べておく。
このような土壌が揃ってから、初めて多いなとか少ないなとか、客観的な事実認定がクリアできるのである。これがまさに第一段階。それを経てから、なぜそうなのか、いかに解決するのか、という分析と提言が出てくる。たとえ少なくても、報道される回数が多ければ、発生が多いように錯覚する。
ほとんどの場合は、事実認定の段階で躓いている。それゆえその後の結論を見ても意味がないか、有害であるか、どちらかのことがほとんどだ。
このように社会科学者は事実認定の段階で、まず慎重なのである。それゆえ、安易な結論には飛びつかず、口を噤むことになる。
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「24 Redemption」を見た柿柳です、こんばんは。
まだまだ続く24シリーズである。これは2時間ドラマとして、シーズン6と7をつなぐ役割を果たしている。redemptionなんて知らない単語だけど、どんな意味だろう。救出とか身請けとかの意味らしい。確かにそのような筋であったから、そうかと思っていた。しかし贖罪という意味もあるらしい。さて、どれがふさわしいのだろうか。
いきなりのジャックバウワー。アフリカ某国でクーデターが起こりそうなところ。実はそれはアメリカが深く関与している陰謀があって。大使館から出頭しろと命令されているジャック。しかし出頭すれば本国に強制送還されてしまう。
子供たちを戦士に駆り立てる子供狩りがある。何とか大使館に逃げ込もうとするジャックたち。しかしそれは本国への収監と引き替えであった。
ミッション・インポッシブルでジム・フェリプスを演じたジョン・ボイドが登場。やはりこの人は悪役なのか。特典映像にシーズン7の冒頭もあったから、あっさり引き込まれてしまう。新大統領は女性。その息子に忍び寄る陰謀の危機。議会に査問を受けるジャック。しかし突然のFBI登場で、再び国家機関への関与を強制されるジャック。そこには信じられない人の姿が。
という筋。早くもシーズン7が楽しみである。
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近頃、テキスト庵井戸端が殺伐としているという噂をようやく聞いた柿柳です、こんばんは。
なるほど、噂の真相、ということで、さっそくテキスト庵を徘徊してみた。そして柿柳はついに真相を突き止めたのである。殺伐としているのか溌剌としているのかよくわからないが、とにかく井戸端が活況を呈している!!
その原因は何なのか。そして柿柳はついに真相を突き止めたのである。同じ文章を2度も書いて(実際は、学生のようにコピペ)、殺伐とした雰囲気を暗喩してみた。暗喩する、なんて日本語あるのか?
そう、犯人はあなただ!!!!
というように、いまわたくしのブログを見ている人が犯人である。つまりブロガー全員が犯人なのである。これが仮説1。
そしてわたくしシャーロキアン柿柳は、またまた次の仮説を思いついたのである。それは・・・・
【な】さんが犯人だ!!!
これが仮説2。この井戸端が活況を呈しているのは、いつの話題も必ず【な】さんが関わっている。これは偶然ではない。学力論争も升ゴミ論争もサブタイトル論争も、すべてに関係している、というより、火に油をそそぐがごとく、次々と論争を広げている!!! これは偶然ではない。
しかしそれにもかかわらず、なぜか【な】さんがいい人に見える。これだけ無自覚的確信犯な論争広げ係なのに、誰も気づいていないのはなぜか。
それは【な】さんの文体にある。なぜかやんちゃなイメージで、ぼくもポリシーあるけど君たちもOKだよなんてアメリカンな雰囲気がにじみ出ている。これはわたくしの文体では真似できないわざである。ま、愛車をこすってボーナス減なんて、愛車があるからこそのエピソードでほほえましい。
というわけで、謎が解明して一安心である。
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Star Trekを見てきた柿柳です、こんばんは。
SF小説は滅多に読まない。ファンタジーも同様。ただ少しだけ映画の方ではSF的な物語も好む。ただしSTに関しては今までほとんど何も見たことがなかった。もちろんテレビでも長寿番組であるから、ときどき再放送を少し見ていたこともあった。
だからスポック君とかカーク船長という登場人物は知っている。エンタープライズという船が主人公であることも知っている。
この映画を見るにはこれだけの先入観で充分である。それだけで大いに楽しいのである。今回の映画は、若き日の2人がエンタープライズに初めて乗り込むことになった冒険譚となっている。スポックがなぜ副官なのか、カークの若き時代には何があったのか。初めて明らかにされるのかどうかは知らないが、とにかく新鮮であった。
しかもこの映画は映画館で見ないといけない。大画面で大音響で初めて映える映画なのである。とにかく特撮もすごいし、宇宙の大画面がすごい。予想以上で期待以上であった。感情を抑えているバルカン星人であるスポックの激情とは何か。やんちゃなカーク船長の冒険とは何か。
とにかく買いの映画である。2500円ぐらいかな。
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広川純『一応の推定』文春文庫 2009.6 読了。
なるべく初物も読むようにしている。この作品は第13回松本清張賞受賞ということだから、ある程度の選抜は経ている。ただし往々にしてこうした受賞作でも駄作が多いので、すぐには飛びつかないようにしている。これは文庫でもあるし、何よりも惹句に、「まさに清張を髣髴とさせる」とあるので、あらすじを少し見てみた。保険業界の話のようであったので、買うことを決意する。この間、2分ぐらいか。
というわけで読んでみる。確かにこの賞にふさわしい。完全な重厚さはないが、こつこつと謎が暴かれていき、そこに社会に対する憤りが淡々と顧みられている。保険業界を扱かったものには『黒い家』があるが、そこまでホラーではなく、ごく普通の家庭を描く。しかしそこには子供の臓器移植というまさにここ数日にタイムリーな話題を扱っており、しかも保険調査員という裏側がわかる。
主人公は数日後に退職を控えた保険調査員。保険会社は何とか案件を自殺で処理し、保険金を払いたくない。保険会社に雇われている調査員ではあるが、最後は何が起こったのかを知りたいという純粋な好奇心に導かれて謎が徐々に解かれていく。
舞台は新快速が走る滋賀県の小さな駅。梅田の飲み屋も出てくる。なぜその男は電車にひかれたのか。この一点の謎が最後に収斂する。
この本は買いであろう。
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「ターミネーター4」を見てきた柿柳です、こんばんは。
原題はTerminator Salvationである。なぜか日本版では4番目、というような味気ないフリになっている。審判の日もそうであったし、どうも副題をうまくつかんでいない日本事情がある。ハリポタの最新作も、秘密のプリンスではなく、half-bloodなんですけど。
見ようかどうか迷っていたほど、あまり食指が動かなかったのである。なにしろシュワちゃんが出ないというのはわかっていたので、つまらないなあと。スカイネットとコナーのたたかいだけではねえ。とは思っていたのだが、なかなか見てよかった。今までおもしろい機械群が出てくるし、なによりも最後の方にサービスカットがあるのである。シリーズを見てきた人にはぜったいにおすすめのシーンがあったので、これを見るだけで金を払う価値があるだろう。
ちなみにターミネイトというのは、根絶させる、という意味である。ターミナル、というのは最終目的地である。エターナルというのは、999である。
というわけで1500円ぐらいかな。
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オーストラリア2-1日本。
またしても逆転負け。後味は悪い。最終予選無失点のオーストラリアにようやく点数を入れたが、前と同じようにセットプレーから逆転された。点が入る前まではやはり流れが悪いし、決定的なところでDFがはずれている。やはり中沢不在の影響は大きかった。阿部にはCBは向いていないのではないか。その他も、岡崎や矢野に関しても、ボールを受けるプレーで失う場面が多かった。岡崎は抜け出る速度はあるので、やはり総合力を磨いていかないといけない。
全体的にはようやくおもしろい試合であった。もう結果は出ているので、純粋にサッカーとして楽しむことができたのである。最初の数分で、今までのアジア予選とまったく違うレベルの闘いになっていることがすぐにわかる。このレベルをずっと保ちたいものだ。そして最初の得点。ようやくゴールをこじあける。この前までやはり日本のペースであったので、よい。
今日は松井が良かったので、なぜ代えたのかと思ったが、体力の限界だったようだ。えぐるボールまでは入れられるのだが、その後はゴールの臭いがしない。もう一工夫であろう。ホームのオーストラリア相手に、よくここまでできたというもの。相手にはほとんど崩されなかった。単にセットプレーだけであったから、逆に言うとこの調子ではオーストラリアの方が工夫がないというものだ。これが普通のできならばだ。
こちらも主力が完全に抜けていたので、その意味では同等のはず。これだけの試合がようやく最終予選で実現ということで、むしろホームで破っておくべきだった。最終予選で初めて敗れた。ホームで引き分けが多かったのが2位になった敗因。本来ならばこれでプレーオフに回らなくてはいけないところ。
サッカーとしてはおもしろい。しかし勝負としては悔しい。
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ブラウン『天使と悪魔』角川文庫 2006.6 読了。
やはり原作は丁寧に作られている。とは言っても、結局、次の道しるべを示す根拠はどちらでも薄弱だと思うのだが。映画とはけっこう筋が違っていて、どちらも一長一短。特に映画では、真犯人をミスリーディングさせる部分がうまかった。そして最後の大団円もそちらの方がいいのではないか。
逆に小説では、イルミナティの紋章がはっきりわかってうれしい。たとえばfireとかearthとかwaterとかairとか、これを装飾文字にすると、みごとに裏から見ても表から見ても、同じ綴りに見えるのである。ポイントはrであろう。このような地球のみなもとになりそうな元素に、このような装飾ができるということ自体が驚きである。詳しくは本書を見て欲しい。
前の教皇と侍従との因縁は、小説の方がはっきりしていてしかも衝撃的であった。なるほどという納得の因縁になる。映画ではかなり改変されているが、どちらも見ると相乗効果でおもしろいだろう。
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『動物農場』DVDを見た柿柳です、こんばんは。
ずいぶん前に読んだ本である。言わずと知れたジョージ・オーウェル原作。ハルキさんがなぜか『1Q84』などという新作を書いているから、困った題名である。もともとオーウェルが1948年に書いた近未来恐怖小説ということで、『1984』という題名になっていたのだ。それを花丸ハルキさんが本歌取りしているのである。IQ84の物語という意味も含めている(この辺は読んでいないのでデタラメ)。
さて『動物農場』である。初めて本格的に英語で読んだ小説であった。もちろん先に『1984』を読もうとしたのだが、もちろん挫折して、より簡単に書かれているこちらから入った。大学に入る前であったから、ひいひい言いながら、何とかざっとは読んだだろう。その後、もちろん2つとも邦訳で読んでおいた。
そのアニメ版である。なぜかスタジオジブリが関係しているとあるから、日本で新作を作ったのかと誤解していて、買ってみた。ぜんぜん違う。イギリスがほとんど初めて作った長編アニメなのである。1954年作品なのである。半世紀以上前なのだ。というよりも原作が出てからほぼすぐに企画され、数年後にできあがった作品なのだ。今から懐古的に振り返る、などという作品ではないのだ。
それゆえ、徹底的に暗い。もちろん原作が暗いからであるが、とにかく気が滅入る。筋は簡単。人間を追い出して、動物すべて平等、という革命を起こしたのはいいのだが、知的な陰謀にたける豚集団、とくに頭領ナポレオンが台頭し、すべての他の動物を支配していくのだ。革命のあとは独裁者あり、という歴史的事実をこれほど如実に示した物語はあるまい。そして理想に向かった革命が、いかに巧妙に換骨奪胎され、まったく異なった独裁制を生み出すのか。
フロムはこの事態を、自由からの逃走、と呼んだ。この作品の暗さは、まさに現代の暗さを直接に示している。なおこの作品はCIAの資金援助でできたという噂があるらしい。それをなぜいまジブリが出すのか、これが最大の謎である。
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「消されたヘッドライン」を見た柿柳です、こんばんは。
ラッセル・クロウが気になっていたので、無理して行ってきた。前作で役柄のためにデブになっていたのだが、今回は新しい役で、もとのようにきちんと戻っているのかを確かめたかったのである。ただそれだけのためだった。もちろん陰謀物と聞いていたので、そのへんのシナリオにも少し期待していた。
クロウはクロウしているようで、ぜんぜん元に戻っていなかった。もっとも今回は、ブンヤの役柄。長髪でぼさぼさだし、崩れた服装しかないし、ぜんぜんきりっとしていない。仕方ないのか。もっとパリッとした役柄ならば元の非デブに戻るのだろうか。
さて陰謀である。武器会社を追及する国会議員。そのスタッフが謎の死を遂げる。実は議員の愛人であることも発覚する。どうも事故死ではないらしい。その前日は無関係と思われたスリにも死が。目撃者も次々と殺される。
そこで主人公の新聞屋が登場する。実は議員の旧友であり、その妻と前は愛し合ったこともあったほどの近さであった。新聞屋が新人女性部下とコンビをくみ、陰謀を暴く。徐々に核心に迫るかの運び。しかし最後の最後でどんでん返しが・・・・、という筋。
さてどうだろうか。まあ議員とクロウの造形はよいと思うのだが、他の登場人物にはとくに感慨がない。話も、実はそんなものか、という気にもなってきて。あまりアクションシーンというのはない。
うーむ、評価がむずかしいな。完全な駄作ではないのだが、手放しでも喜べない。1200円ぐらいかな。
ところで原題はstate of playである。英語が得意な人、訳してみて欲しい。邦題はちょっとお粗末かな。ヘッドライン、消されてないし。「演技の状態」?「行為中}?
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宮部みゆき『名もなき毒』カッパノベルス 2009.5 読了。
読んでいないと思っていたのだが、読み始めると、既に読んでいたことを思い出した。情けない話である。最近、こんなミスがよくある。というのも人気作家だと、何回も版や大きさを変えて、あたかも新刊のように出版されるからである。
物語の中核には異常なクレーマー的うそつきがいる。兄の結婚式を壊してしまうくだりなど、身の毛もよだつホラー物語となっている。何しろ大嘘なのだが、本人は嘘を言っている瞬間には本当だと信じ切っているような迫真性があるからである。ごく普通に見えた人間が、常道を外していく。
とにかく怖い世界である。
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ムラカミハルキという人の小説を読んだことがない柿柳です、こんばんは。
だいたいの小説家ならば試してあるのだが、この国民的英雄的小説家にしてノーベル賞候補の偉人に関しては、1冊も読んだことがない。不幸な偶然からである。デビュー作の『風邪の歌を聴け』という本の一節をそれとは知らずに読んでいたのだが、ぜんぜんおもしろくなかった。というよりも、まったく受け付けなかった。それ以来、まったく食指が動かないのである。すべてベストセラーになっているので、題名やあらすじも少し知っているのだが。
そういえば一冊だけ『愛と幻想のファシズム』を読んだな。って、それは龍のほうか。カドカワハルキならば、ずいぶん読んだけどね。
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眠くなってしまったが、カタール戦を見る。オウンゴールのところまでは良かったが、その後は失速。相手の方が明らかにコンディションがよく、最後の最後で耐えるというやり方しかなかった。疲労が濃かった。少しだけ良い部分もあったのだが、全体としては駄目であった。負けなかっただけ良かっただろうか。6万人以上集めたらしいが、これでは逆効果になってしまう。
やはりダブルボランチがどちらもいないと、一枚も二枚も墜ちるということだろうか。そんなに悪くないと思ったのだが。途中までは笛もよかったのだが、中盤以降、またまた日本に不利に見える審判の笛ばかりで、ストレスがたまる。日本のホームなのだが。
さて最終的にはオーストラリアであろう。ここで勝てないようでは、まだまだ次を見据えることができない。アジアレベルということになる。アジアでは完全に負けなくなったが、しかしそれだけのことになる。予選で韓国やサウジやイランと当たらなかったのは大きな不幸である。予選の形式も考える必要があるだろう。
あまり気分爽快とはならない。これならば録画を見るので充分であった。
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大崎梢『配達あかずきん』創元推理文庫 2009.3 読了。
元書店勤務のミステリ小説。いわゆる「日常の謎」系ミステリである。本好きの女性がいかにものおせっかいでほんのりしてちょっと焦る物語となる。いかにもである。これは男性が書ける分野ではない。だいたい本好きの男性書店勤務の人などいるのだろうか。・・・・いるだろうが、絵にならない。
短編集でデビュー作。ういういしさが残る筆致。アルバイトの女性店員がこれまた後輩の女子大生アルバイトとともに、書店にふりかかる数々の謎をほんわかと解いていく。
なるほど文体がすんなりしている。もっと読んでもよい作家だ。まだ3年ほどだが、既に10冊は上梓しているようだ。
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大門剛明『雪冤』角川書店 2009.5 読了。
第29回横溝正史ミステリ大賞受賞。テレビ東京賞受賞。まったくの新人。
雪冤、という言葉は知らなかった。雪辱、ということばがあるから、雪という漢字に、特別な意味がある。洗い流す、すすぐ、きれいにする、という意味になるだろうか。
綾辻行人が審査委員に入っていたから、そして選評を見てみるとかなり期待していたから、わざわざ買ってみる。最近はミステリもすっかり単行本になってしまって、なかなかの出費である。
さてテーマは死刑制度と冤罪。この両者の関係をミステリを仕込むことによって解き明かす、あるいは指し示す。単にどれかの立場を声高に叫ぶのではなく、ずっしりと重い問いかけをするという方法。きわめて意外なことに、ミステリというもっとも娯楽的な要素にはめ込まれているにもかかわらず、いやそれだからこそ、このような重いテーマが描けるのではないか。
真相は二転三転する。このような仕掛けは北村薫によれば、むしろあざといと感じたらしい。しかし綾辻はそれを好ましいと見ている。残りの2人の評者もそう見た。何よりも真面目に、ずっしりと、秘めたる炎から書かれている。もちろん人物造形はそれほどでもないから、登場人物がもう少しうまくかき分けてくれたら、もっと意外などんでん返しや感情移入が楽になるのだろう。しかしここには不器用さがあるため、逆に物語の真実性が浮かび上がってくる。
動機、が前例のないもの。殺人の動機にこんなものがあったのか。それは驚愕である。京極『塗仏の宴』以来の驚きであろう。全編に「走れメロス」がモチーフとしてあり、演劇と、合唱と、ホームレス社会が京都という都市で息づいた物語である。
不器用な小説であるが、読むに値する。すらすらとは読めない。
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「天使と悪魔」を鑑賞した柿柳です、こんばんは。
「ダヴィンチ/コード」も映画館で見ていたので、こちらも見てみる。もともと原作はこちらの方が先立ったと思う。今度の舞台はバチカン。バチバチにバチカンである。ときあたかも、新法王が決まるというコンクラーベ合戦。その時に有力枢機卿4人が誘拐されるというから、尋常ではない。しかも1人1人殺害されていくのである。反物質を爆発させるという脅しとともに。
ストーリーとしてはアラが多いのだが、かなり楽しめた。トム/ハンクスもあっていないと思っていたのだが、2作目となるとやはりあっているのかと思ってくる。何よりも感心したのは、「スターウォーズ」でオビワンケノビを熱演したイワン/マクレガーがここでも熱演していることである。最初はちょっと気づかなかったのだが、独特なセリフの言い方に、気づいたのである。この人は法王を助ける黒子となっていて、重要な役割だ。
物語は二転三転して、何が真相なのかわからない。謎解きはもっと原作でしっかりしているはずなので、三巻本を買うしかないかなと思っている。ローマの様々な教会を見るだけでも楽しい。ガリレオの謎に迫れる。
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W杯出場に涙した柿柳です、こんばんは。
さて心の準備を重ねて、23時まえにはNHKの前に。決戦は近い。いきなり予想と違うメンバー。芝が深い。国立競技場とは比べものにならない。これは苦戦か、という具合。しかしあっさりと先制。岡崎がついにやってくれた。やはりFWというのはノリが必要。一番旬のFWを使うのが鉄則であった。
しかしじりじりと追い込まれる。それにしても今日のシリアの審判はひどかった。ここまであからさまにアウェイ審判なのは、最近では見たことがない。フィフティの場合でも必ず日本のファールになる。これでは試合がぶちこわしだ。大久保の2点目もオフサイドには見えなかった。というよりも決定的シーンをテレビがとってないものだから、見逃しているのである。中継は残念ながらウズベキスタン放送なので、やはり日本のカメラワークに比べると圧倒的な差がある。このへんのテレビ技術で、日本の一流さを確認することになる。
今日の試合で特筆すべきは、守備である。ボールがまわらないから、攻撃が今日はできない。とにかく人と人が遠いので、すべてふんわりとしたボールパスばかりで、今までのグラウンダーパスがすべて封じられた。これでは良さが出ない。しかし守備がすばらしかった。DFだけでなく日ランチや前線から、非常によい守備であった。3回ほどゴールになってもおかしくない場面はあったが、それも相手のシュート力やブロックで乗り切った。楢崎はさすがである。
そして歓喜の瞬間。これで4大会連続。ドーハの悲劇は遠くなった。あれから日本サッカーは強くなったが、それと相乗効果で、サッカーに出せる金も増えたので、アジア枠も増えたのである。この部分は大きい。今までの予選と比べると、やや緩くなった。2つのグループで2位までというのは、緩いだろう。しかし強くなったのも事実である。今日はまったく同点に追いつかれる気がしなかった。それが余裕であろう。
岡崎:泥臭いゴール。ゴン中山のスタイルに近づいた。大久保:2点目は幻。積極的にしかけるが、やや足りない。中村俊輔:余裕のさばき。しかしときどきボールを取られてしまう。審判のせいもある。中村憲剛:ナイスアシスト。この筋に通せるのが中村。やはりさばきがうまい。長友。自重はしていたが、時々積極的に。サイドの攻防にも負けず。駒野:アクシデントの内田にかわってみごとに先発を果たす。今野と同じく貴重なバックアップメンバー。遠藤:あまり目立たなかったが、守備に攻撃に貢献。長谷部:MVP級。すばらしい闘い。ドイツで一番のびた選手であろう。トゥーリオ:ポカなし。はねかえし。中澤:ことごとくはねかえす。すばらしい働き。楢崎:MVPか。ノーミス。すべて完璧なキャッチングや飛び出し。
岡田:交代枠で本田が機能せず。どうして親善試合の能力が出ないのだろう。矢野はよりまし。阿部は時間かせぎでわからず。
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