大学行政で疲労困憊している柿柳です、こんばんは。
いやあ、年度末は会議が多くて困るね。授業がない期間に、そして小部分の教員が研究活動と称してのほほんとしている間に、一気呵成にとんでもない案を審議未了のまま通してしまうのには、この期間がうってつけ(この文章はねじれています)。
というわけで、【な】さんのエントリ「なぜ日本の大学教員には雑用が山ほどあるのか」についてだけど、オレは反対だね(と、とりあえず言ってみる。実は大方賛成だったりするけど、とりあえず反対してみる)。
http://d.hatena.ne.jp/ultravisitor/
ここでもパレートの法則? ニッパチの法則が役立つだろう。売り上げは2割の社員が貢献しているってやつである。全然、実証的じゃなくて直感的だけど。大学の行政でも研究でも教育でも、だいたい優れている、やや優れているっていうのは、2割ぐらいじゃないの? 誰でもまあ上位5%に入らないかもしれないけど、オレも上位2割には入れるだろうって思ってないかい? 特に自意識過剰の大学教員という業界ではね。
しかし考えてもみよ(ここだけ司馬遼太郎ふう)。
残りの8割がいるからこそ、2割が栄(は)えるのである。実はその2割を取り除いても、残りの8割からまた上位2割が出現する(ここも直感的、何の裏付けもない)。
ということは、その8割の役割というものがあるということだ。それは何か。上位2割の研究環境を整えるという崇高な目的である。大学行政もその1つ。誰かがやらないと回らない。別に職員でも文部科学省でもいいけど、研究に関する行政は、研究に関する尊敬と尊重と大いなる知識と直観が必要なのだ。それを持っているのは官僚でも閣僚でもなく、大学教員自身なのである。
それゆえ、雑用と称される大学行政も、大学教員自体による遂行がもっとも効率的なのである。というわけで、残りの8割の人は積極的に引き受けるべきである。
ま、おれはやらないけど。
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小説:テキスト庵オフライン・ミーティングの惨劇 (第5回連載)
第1回連載
作者急病のお知らせ
編集部からのお知らせ
第2回連載
第3回連載
第4回連載
大阪オフ会当日。緊張感が最大限に高まる。この、このオフ会を10年間待ち続けていたのだ。杜撰な計画を練り上げ、後は行き当たりばったりで、とにかく本番に望むことにした。
その前に準備は万端である。既に東京オフ会とは違ったハンドルネームを登録してあり、その名前で参加を申し込んだ。しかしこの段階で驚く。まさか東京も大阪も両方出席する奇特な方々がいるとは思っても見なかったのだ。そこで少々変装しつつ、その人から遠いところで席取りしようと決意した。もちろん穴の開いた紙袋も忘れない。
新大阪に着いて、案の定少し迷ってから、DDhouseに到着する。ここは何度も行ったことがある。「ついている」。<柿柳>は独りごちた。
再び5分前に会場に入った。またまた運営者が来ていない。10分でいきなり最高潮を迎えた東京オフ会と異なり、女性比率が高かったせいもあるのか、静かな始まり方であった。ブログでしか接したことがない有名人が次々と現れて、やや興奮する。そうこうしているうちに、自己紹介となった。
「えっと、か、柿、柿柳、いや柿やウナギが大好きな・・です。会員番号5346で新参者です。まだブログも全然書いていなくて、今日来るかどうか迷ったのですが、あこがれのブロガーさんをぜひ一目見たくて、わざわざ大阪まで駆けつけました。」
「えっと、得意なカラオケは「くちびるネットワーク」と「およしになってTeacher」です。」言わずもがなの趣味も言ってしまった。案の定、先生とおぼしき職業の人の瞳がキラッと光った気がした(サングラスでよく見えなかったが)。「変な選曲、その組み合わせってどこかで聞いたことがある・・・」、こんなつぶやきも聞いた。慌ててこう付け加えた。
「えっと、テキスト庵は10年前から粘着的にチェックしていました。好きなブロガーは、やっぱり小町さんとKato Reikoさんとじっぽさんですね。残念ながら休筆中なのか筆を折ったのか更新報告がなくなったのか、見えなくなっていますが。」
「そうそう、オレも海外から直筆葉書をもらったよ」「キャリアウーマン・ブログの先駆けでしょうかね」「じっぽさん、激務なのにどうして3つも4つもブログを持っていて、しかもあんなにたくさん書けるのかな」。などなどまたつぶやきが聞こえた。
何とか自己紹介を無難にこなし、あとは機会を窺うことになった。途中で伝説の大虎の人が暴走しだし、本当に虎に変身していた。実はこの人による暴露本を持っていたので、後でサインしてもらうと考えていた。
今回も割合に女性陣は固まり、話が弾んでいたようだ。「どうしたら毎日、ブログを続けられますか」「それはね、読者を気にせず、書きたいように書くだけよ」「いや逆に、読者を徹底的に想定した分析が必要ですね」、そんな切実な質疑応答が聞こえた。
男性陣は割合に静かに渋く飲んでいた。東京オフ会に比べて女性陣も多く、全体に人数も少なめで、隣との敷居もなく開放的な空間だったので、やや大声を出すのを憚られたのだろうか。
冷静に計画を遂行するつもりだったが、緊張か寝不足か飲み過ぎか、急激に意識が薄れてきた。・・・、何か紙袋を被った異様な風体の人物が、自分を見ている! そんな白日夢を見たような気もして、はっと突然、顔を上げた。
「どうしたの、新参者の・・さん。もっと楽しくやろうよ。ちょっと顔面蒼白だけど・・」「い、いや大丈夫です。こんな10周年という滅多にない機会が巡ってきたもんで、緊張していて・・」。トイレに立つことにした。
顔を洗って心を落ち着けていると、会場から、またしても「ギャー」「きゃー」という叫喚が聞こえてきた。
つづく。
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小説:テキスト庵オフライン・ミーティングの惨劇 (第4回連載)
第1回連載
作者急病のお知らせ
編集部からのお知らせ
第2回連載
第3回連載
奇妙な噂を耳にした。東京オフ会は生協のうちに終わったのだが(あはは、すまん、すまん、盛況のうちだ、大学関係者の辞書なのでゆるしてくれ)、オフ会レポートがひとしきり現れた後、参加者のブログ更新がぱたりと止まった、という噂である。
気になったわたくしは、さっそく東京で会った面々の顔を浮かべながら、彼らのサイトにアクセスしてみた。。。。
確かにオフ会のレポートを最後に、途切れている場合が多い。そうでないケースもあるが、それまでの更新頻度を考えると、どうにも納得がいかない。いったいこれは何かの暗合だろうか。
試しにTさんのブログを覗いてみた。その饒舌な芸風に感心していたのだが、オフ会以後、ぷっつりと消息が絶たれたように、無言の空間が広がっている。急いでNさんのブログも見てみた。こちらはオフ会とは関係ないのか、その前から絶筆状態である。もう書き物は止めたのだろうか。
。。。。どこから来るのだろう。この不安感は。まるでオフ会に出た後に、神隠しにあってしまったようだ。そして当然に、突っ伏して意識がなかったあの3人のブログは、まったく更新する気配すらなかった。みんなの言うように「大丈夫大丈夫」というのは本当だろうか。
わたくしは再び深い目眩を覚えた。何かしら強烈な悪意を感じる。
そして運命の大阪オフ会が近づいてきた。大阪オフ会まであと1日、あと1日しかないのだ。
続く(まだ続くのかよ)
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