fc2ブログ
2010/08/23 (Mon) 夫が困ります(解凍編)

Ahoo知恵袋の柿柳です、こんばんは。

>「ねぇねぇ、博士号を取ったらどうするの?」と彼が無邪気に訊いてくるのは二ヶ月後か、半月後か。

どうして夫はわかってくれないのでしょう。今後わたしはどうしたらよいのでしょうか。(14番目のサンダル)


フフフ、ずばり解凍しましょう。アプローチの仕方が間違っていた、とまず認識することです。夫婦なんてものは、エスパーでもないかぎり、わかりあえるものでもなく、わかりあえることを期待しちゃいかん。わかりあえるのは、ララアとアムロだけよ。

つまり何度説明しても、夫の脳内には博士修得こうあるべし、という素粒子が形成されているため、それと異物なコンセプトで洗脳しようとしても、まったく洗われない。泥だらけ、という状態である。

ではどうすればよいか。夫も思考のベクトルの方向を掴めばよろしい。博士を獲得して、その先にバリバリとした人生がある、というベクトルらしいから、それに乗ることである。嘘も方便。

このように宣言する。「もちろん、わたくしバリバリに博士を取らして頂きますことよ。その後は、バリバリと研究論文を書いて、超一流大学に就職することをもくろみます。さすがにわたくしのようにどんなに才能があっても、最初はドサ回りというのが通例だから、わたくし、喜んで地方弱小大学にも赴任させて頂きます。そんときは、単身赴任か、あんたがついてくるか、選択を迫りますからよろしく。」 てな具合。


なお例によって、この助言が夫婦仲を壊そうが強めようが、当局はいっさい感知しない。このテープは自動的に消滅する。

スポンサーサイト



雑感 | trackback(0) | comment(2) |


2010/08/18 (Wed) しょぼんとした毎日

大々的なアンケートに二件しか回答がなくてしょんぼりしている柿柳です、こんばんは。

なんか反応ないなあ。せっかくの本音を聞くチャンスだったのにね。

まあいつものことなので、少ししか気にしていないが、そういえば、テキスト庵10周年オフライン・ミーティングでこの話題を出したことがあった。もちろん第三者を装っての話である。「ところで、柿柳さんのブログってどうして反応が薄いんですかね」「あ~柿柳ね、それはな」

ということで、3つの意見が出た。

・「自己完結しちゃって、突っ込みようがないんだよね。ボケとツッコミ両方入ってるからな」
・「あ、つまんないし」
・「自作自演ってのが、まるわかりなんだよね」

あ~そうなの。ますますオレ様、いじけちゃうよ。


ところで、前述の甥姪大戦争については、実は無理な問いでもあった。完璧に三者を比べることができる者は、実はごく少数なのだ。

・兄弟がいて、かつその兄弟に子供がいる。
・姉妹がいて、かつその姉妹に子供がいる。
・夫がいて、かつ兄弟姉妹に子供がいる。
・女である。

これだけの条件が4つすべて揃っている者は、ごく少数なのだ。2つも難しいのではないか、という気がしてきた。それゆえ、このアンケートに対する答えは少なかった、と思い込みたい。

雑感 | trackback(0) | comment(4) |


2010/08/16 (Mon) 姪甥は無条件でかわいいのか?

予定投稿のはずが、よくわかっていなくて、先に公開されてしまった柿柳です、こんばんは。

驚いたなあ、発言小松での女性による次の発言を見て(要旨)。


姪や甥がかわいいかどうか。

自分の姉妹が生んだ子供は無条件にかわいい。自分の兄弟が生ませた子供はたいしてかわいくない。所詮、他人であるそれらの嫁が生んだから。さらに自分の夫の兄弟姉妹が生んだ子供はぜんぜんかわいくない。まったく他人だし、血も繋がっていないし。


うわ、封建社会で家父長制に生きる男子たるオレとしては、とにかく驚愕だね。どんな場合でも、姪や甥は3親等の親族だろう? 男はこうした抽象概念に支配されるので、3親等ならば、それなりの愛情がある、と考えるのではないか。

それにもかわらず、世の中の女性は、これほど血の濃さを実感しているのか?

(もちろんいくつかの要因は挙がっていて、それはそれで考慮されている。1つは会う頻度、もう1つはその幼児との相性。こうした要因は除いておいて、という話である。)

テキスト庵の女性たちよ、その実感を回答されたい。

さ、そしてテキスト庵の男性たちよ、君たちは自分の兄弟が生んだ(あるいは生ませたと表現すべきなのだろうか)子供と、自分の姉妹が生んだ子供と、自分の妻の兄弟姉妹が生んだ子供を、すべて本能的に区別して、接しているだろうか?

雑感 | trackback(0) | comment(4) |


2010/08/15 (Sun) 英語を学ぶ

私が私でなくなるの 手のひらに泪をためて めざめてくる としごろよ と唄った柿柳です。


いやあ、懐かしいですねえ。デビュー作ですねえ。

>追記:お名前が間違っておりました。平にご容赦を…。(14番目のサンダル)

おや、わたくしの他に誰を間違えていたのですか。

>英語以外の言語は通常大学で学び始める。英語は思春期からずっとやっているわけだ。英語ができる=アタマが良い=優等生みたいになりやすいのかもしれないな。(文鳥日誌)

そうなのですよ。既に相関関係の研究があるのだけど、英語の学力は学習全体を代表するんだよね。真面目にコツコツというタイプが点数だけは取れるようになっているのが、英語の入試問題というわけだから。つまり、ここまで代表値となると、他の科目なんか、見る必要ないんだよね。

あ、もちろん、物理とか化学とかの人たちには、英語が苦手の人たちがある程度いるのは事実。その場合は数学の学力を見ればいいのだけど、しかし、本当の上位の学力の人たちは、当然に英語もスイスイとできちゃうんだよね。文法問題とか多いからね。

という具合に、入試問題の英語ができることと、英語を日常語として使えることは、もちろん違う。あっ、でも誤解しないでね。無関係と言っているわけじゃないだよ、受験勉強が嫌いなボクが言いそうな言説とは違ってね。入試問題の英語ができるという第一段階の上に、日常語として意思疎通が可能になる第二段階がある、というあたりまえの事実だよ。われわれ、英語に関しては外国人だからね。そこで生まれたときから暮らしているわけじゃないからね、自然に修得したわけじゃないからね。

受験英語が嫌いなボクたちは、いきなり英会話だの文法嫌いだのと言い出すけど、もちろんその会話の内容が問われるよね。流暢に話すことはもしかしたら文法抜きでも可能になるかもしれないけど、それはその程度の会話ということ。

外国人が外国語で意思疎通を図る、というのは、どういうものか、どういうものであるべきか、この辺を再考すべきだね。もちろん、何かの主張があって、最低限、通じる技法があるということだろうね。

雑感 | trackback(0) | comment(1) |


2010/08/14 (Sat) 学ぶこと

勝手にコメントの輪が拡大しているようで、ニヤリとした柿柳です、こんばんは。

>これは初耳であった。僕の認識では、学習=learn、勉強=studyで、「学習」の方がある枠の範囲内のこと、たとえば授業の復習をするとか、教師に指定された問題集をやるとかいうもので、多少受身のイメージがあり、「勉強」の方が自分でテーマを設定して調べる、という積極的、創造的なイメージである。恐らく、世間的にもその方が一般的のように思う。(Adminではないけれど [ブログ篇])

これは気になる指摘ですな。困ったときは辞書に聞こうということで、いくつかの辞書を開いてみた。問題は、英語の語彙と、日本語の意味は分けて考えないといけないこと。なお、次は辞書そのままではなく、意訳である。

勉強:(1)学ぶこと。(2)修行や経験。(3)商人が安く売ること。(4)励み、努力する。(5)気が進まないことを仕方なくやる。[大辞林]

3つの辞書を比べてみたところ、勉強と学習はほぼ同義語として代替可能になるが、やはりニュアンスが異なる。原義は推測通り(4)である。わたくしの場合は(5)を重視したわけだ。ただ興味深いことに、広辞苑と大辞泉では、この意味は削除されているのである。強いられるという意味は薄れていると判断して良いのだろう。

学習:(1)学び習うこと。(2)系統的・計画的に学ぶこと。(3)経験を通じて知識や適応能力を獲得すること。[大辞泉]

学習に関しては、(2)の側面が学校での修得を前提にしているようだ。プログラムに沿って行うというイメージがある。ただわたくしの場合は、生物学で使うような(3)の意味を重視したと言えるだろう。

勉強は継続の努力という意図の側面が強く、学習は修得の結果という側面が強いのではないか。

さて、以上の日本語と英単語であるstudyやlearnは重なる場合もあるが、むしろ逸脱する。

study: (1)To apply the mind to the acquisition of learning、ということで、第一義はlearnと同じだろう。ただしやはり心理的な発端がある。(2)To follow one's educational or professional studiesということで、大学などで指導を受けることになる。

(3)To think intently; to meditate; to reflect, try to recollect somethingということで、これがわたくしの言いたいこと。つまりstudyは勉強という単語が対応するのではなく、むしろ研究するという幅広い単語である。

learn: (1)To acquire knowledge、やはり獲得が第一義となる。[Oxford English Dictionary]

さて、このような基本的な単語でも、あるいはだからこそ、1つの単語には複数の意味が混在している。それゆえ人々によってニュアンスの違いが出てくる。言葉を定義することの難しさであろう。

ともあれ、次のような真理は変わらない。

子曰、學而不思則罔、思而不學則殆。
子曰わく、学んで思わざれば則ち罔(くら)し、思うて学ばざれば則ち殆(あや)うし。(為政第二の十五)

Confucius said, “If you learn without thinking, you cannot understand truly. If you think without learning, you will be self-righteous.”

「学んでも考えなければ、[ものごとは]はっきりしない。
考えても学ばなければ、[独断におちいって]危険である」(金谷治訳注/岩波文庫)


学習と沈思の双方向性が確保された思考の状態を、学問・研究と定義して良いであろう。

雑感 | trackback(1) | comment(0) |


2010/08/13 (Fri) 写楽 閉じた国

島田荘司『写楽 閉じた国の幻』新潮社 2010.6 読了。

とにかく分厚い、684頁。それにもかかわらずわずかに2500円。森博嗣も書いていたが、小説って安すぎないか。あまりにも無料のネットに慣れてしまっているので、本当のプロが書いた文章を堪能するのに、その対価が必要なことを忘れてしまうのだ。

写楽本である。作者が20年以上温めてきたアイデアである。まるでデビュー作『占星術殺人事件』を出版してもらう時のように、後先考えず突っ走った結果だそうだ。実際、連載を始めたとき、本書のキモの証明ができるかどうか、まだわからなかったそうだ。それなのに書き始めたのか!! それが最も衝撃的な謎であった。

写楽本である。これまで数多くの学者と芸術家が、写楽の謎に迫ってきた。作者はその謎を3つに分類している。第1に、画法の独自性。あまりに独特で誰からも独立していて、誰にも受け継がれていない。それまでの浮世絵が単なる役者絵の静止画像であるのに対して、写楽の絵は一瞬の動を切り取った度肝である。

第2に、無名の作家がなぜ当代随一の大出版会社・蔦屋重三郎という版元から出せたのか。しかも黒雲母摺りという一流の絵師にしか用いなかった贅沢な背景を持たせているのはなぜか。

第3に、この時代の寵児が売れに売れたという証拠があるにもかかわらず、なぜわずか10ヶ月の活動期間を除けば、ぱたりと消えてしまったのか。そして接触した者の誰もが口をつぐんで写楽の正体を書き残していないのか。

これらが謎である(295頁)。そして作者はこの謎を一気に解決するとてつもない真相を持ってくるのだ。この謎解きには最大級にびっくりした。まさに誰もが考えつかなかった解決策である。

物語は現代編と江戸編に分かれる。現代編は、六本木の回転ドア事件から始まる。これが物語のキモなのだ。この回転ドアはオランダ製であったのだが、日本製に取って変わられた。それが悲劇を生む。子供をこの事故で死なせた主人公が、その贖罪のために、写楽の謎を追求する(詳しくは本文を見てくれ)。この長々としたくだりが、まさに『異邦の騎士』を思わせるような初期の独白になっているのだ。

すなわち徹底的な内省のうえに立った日本国という概念の行く末である。島田荘司は常に、通常のナショナリストとは全く異なる形で、ナショナルな日本国という存在を徹底的に追求する。批判的に追求する。それが写楽の謎を解く鍵なのである。

くどいと感じるかもしれない。しかしいったんこの世界観に慣れてしまえば、一気に読み通せる。東野圭吾のように、手練れの感動を読む文章ではない。しかし圧倒的な切迫感がある。素人的な内省の圧倒感がある。

なぜこの美人東大教授は主人公を助けるのか。こちらの謎は解明されないままに終わった。後書きによれば、様々な謎を残したまま、書ききれなかったそうだ。

証拠となる文書がどのくらい本物のなのか、検証はできない。脚注で典拠を示せば、それなりの推測が成り立つ学術論文になるのかもしれない。

とにかく写楽が好きならば読め。島田荘司が好きならば読め。文体をさほど重視せず、大きな謎を解明したいならば読め。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2010/08/12 (Thu) 貴族探偵

摩耶雄嵩『貴族探偵』集英社 2010.5 読了。

5年ぶりに新作。痛快である。あまりに寡作な作家だが、これで食っていけるのだろうか。印税も1年間で数百万ぞろぞろと入ってくるのだろうか。アルバイトなのだろうか。他人ごとのながら心配になってくる。まったく新作がないような殊能将之(ハサミ男という傑作)も、きちんと料理しながら生活しているようだし。不思議だ。

http://twitter.com/m_shunou

それはそれとして、たいへんに感心した。貴族探偵という範疇である。当然のことながら筒井大先生の『富豪刑事』を思い出す。深キョンが主演してドラマにもなった。富豪がなぜか刑事になり、その巨万の富にあかせて事件を解決してしまうという物語。これもコンセプトが良い。

貴族探偵もそれに類するのかと思っていた。探偵小説の分野では、安楽椅子探偵がいる。安楽に座った名探偵が、自分ではまったく動かず、話だけ聞いて真相をずばずばと当てるという物語である。

しかしこの貴族探偵は推理すらしない。使用人が推理するのである。なぜならば、文中の主人公によれば、推理は労働であり、そのような下卑た行為を貴族がするはずないではないか、単に推理する使用人を所有しているだけ、という立場なのである。

見事な造形である。推理すらも下卑たもの。これはその通りかもしれない。芸術も学問も、労働。貴族はそれを所有することで、飾りの世界にいる。そうした貴族社会が確かに存在した。そしてその時に、芸術も学問も開花した。現在、貴族は衰退し、すべてが資本主義の中に取り込まれたとき、芸術も科学も衰退せざるを得ない。皮肉なことだろうか。

推理する使用人は、メイド、運転手、執事である。そしてこの貴族探偵はやたら女たらしである。こうした外枠だけでもワクワクする。そして当然のことながら、その推理内容も一級品である。

内容と外形にそれぞれ意匠を凝らした傑作であろう。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2010/08/11 (Wed) またまたコメント

派手な研究活動は止めて、人間活動に専念したいと思います、と宣言した柿柳です、こんばんは。

>いきなり店の裏で立ち小便をする(14番目のネコ)

おやおや、どうなんでしょう。でも太宰治の『斜陽』には、きちんと上品なお小便の仕方が書いてありますことよ。またまた滝沢馬琴の京女伝説では、江戸と違って京女は上品に立って小便すると感心していたそうな。


>11歳の息子を「お母さんの横においで」と近くに座らせて,いけないシーンは目隠ししながら見せた(笑)。(忘却直線)

なんと微笑ましい光景でしょう。この映画は見た覚えがなかったが、検索してみたところ、見ていたことを思い出した。映像だけに感心したが。そんなにいけないシーンがありましたっけ。ところで辛いことからは立ち直りましたか。


>なぜ小学生が堂々と「あたしのけんきゅうテーマは~」なんて教室で発表できるのか。許せない気がしたりします。(14番目のサンタ)

これは深遠なテーマですな。すべては研究の定義、研究に付着するフロイド的深層心理、に依存する。

わたくしは逆に、勉強という言葉を大学生以上が用いて欲しくないと真面目に思っている。非常に努力するという意味もわかるが、やはり字面や語感から、「強いられる」という感覚が強いのだ。強制だ。大学からの知的探究はけっして強いられたものではない。自由意思の発露である。

もしそれを研究という極めるところまで好まないとすれば、学習、学んでこれを習う、また楽しからずや、を使えば良い。というわけで、学習はどうだろう。

さて、研究とはオリジナルの追求である。それは完全な独創性でもなく、独自な観点で良いわけだ。そしてその独自性は先達の徹底的な模倣や学習から生まれてくるものなのだ。そのプロセスを研究活動と呼んでいいわけだ。それゆえ、自由意思であるということ、将来の独創性を目指していること、この2つの条件さえ整えば、その知的活動は研究であるとみなして良いだろう。

あれ、いつもより真面目だな。


>慌てて別室に呼び話をした。こんな時の必要ツールはティッシュである。(続・鹿田内りなこさんのぺじ)

ここだけ切り取ると、どうでしょう。

雑感 | trackback(1) | comment(4) |


2010/08/10 (Tue) 隊商してますか!

年内で無期限休養を宣言した柿柳です、こんばんは。

さすがデビュー作で数億円の印税が入った身は違うなあ。わたくしもはやく引退したいことよ。


>事情があり、大正ロマン風衣装を着なくてはならなくなった。

>なんの事情かは訊かないでください・・・。(続・鹿田内りなこさんのぺえじ)


まあ、そう言われると、ますます邪推したくなるじゃないですか(ニコ)。

(1)大河テレビに出演決定。
何しろ、1年間出演じゃないですか。対照的に、来年度は「大正ロマンス・鹿鳴館その後」という題らしいし。

(2)大正ロマン大賞に輝いたため。
名古屋市選定のこの大賞があるのだが、それに見事、準ミセスとして輝いたため。大正ロマンの格好をして、名古屋市内を練り歩かなくてはいけない。

(3)息子の学芸会に出るため。
今時の学校は親隊商にも出演を求めるわけですよ。

(4)着付け教室の看板娘としてデビューするため。
そのままです。昔からの大将に頼まれたので、やむなく。

(5)映画エキストラ専門学校講師になるため。
まあ、こういうこともあります。知り合いの松竹芸能対症から頼まれると、いやと言えない。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2010/08/09 (Mon) 発端

始まりはいつも雨~ と唄った柿柳です、こんばんは。


先日、珍しく映画を見てきた。何しろ最近はそんな気にもなれなくて、だいぶ忌避していたのだ。しかしInceptionという映画が評判らしく、さっそく駆けつけてみた。

Total Recallというシュワちゃんの映画を思い出した。「あなたの夢、買います」という原作だったかな。火星に展開する陰謀話として、二重三重の暗転が楽しかった(しかし画面が暗かった)思い出がある。

この映画もよくできている。Inceptionは発端、inceptは摂取するという意味があるそうだ。inceptのもう1つの意味を調べていたら、ここでは書けないほどの意味であった。conceptとconceptionの違いに似ている。

この映画の中では、人間の潜在意識に入り込み、別の先入観を植え付けるというような意味だろうか。夢が鍵の概念であるから、もちろん「胡蝶の夢」やフロイドを思い出す。この映画にはそこまでの哲学的な深遠さはない。むしろ主人公がなぜそこまでinceptionに拘るかという謎が大事だ。そしてその人工的な夢への侵入を具現化した映像が大事だ。

渡辺謙が重要な役で、見事な英語台詞を駆使しているのは驚いた。立派なハリウッド俳優である。ここまで成功した例はないのではないか。むかし白血病で倒れたことを思えば、何と見事な人生だろうか。

基本的にはアクション映画のようになっている。映像の妙とともに、そこを楽しむことも可能であろう。inceptionの構造が重層的なので、深く考えすぎるとかえって混乱してくる。夢の中でまた夢を見る、と捉えれば良いだろう。

コマという小道具を使うのがよろしい。最後のシーンでどうなるのか。まさに胡蝶の夢である。アクションとミステリが好きならば、100%のお勧め映画である。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2010/08/07 (Sat) なぜ教授は移ったのか

のり●ー唄う「世界中の誰よりきっと」を聴いて涙した柿柳です、こんばんは。


嘘ですけど。


>「先生はなぜT大教授のポジションを捨てて私大に移ったのですか?」(14番目のサンダル)


こりゃまた直截な質問を。先生、困っちゃいますよ? (わざと語尾を上げます)

ただし回答は簡単である。いくつかの可能性を挙げてみた。

(1)ずばり、給料が高いから。そのニコニコ大学(仮称)が私大なのか自大なのか知らないが、とにかくいくつかの私立大学には帝国大学よりも給料が高い所がある。一説には2割増しである。そりゃ、人間は高い方になびきます。

(2)ずばり、定年が長いから。某T帝国大学はそのむかしむかし、定年が60歳であった。その他の国立大学が63歳だったり、65歳だったりしたのと対照的である。なぜか。そう、天下りのためである。帝国大学とは、全国の下々の大学を監督する立場にあるのだ。その有意な人材を、全国に下々の大学にありがたく行き渡らせる必要がある。それゆえ、全国の下々の大学は(しつこいな)、ありがたくその人材を拝受するのだ。それゆえ、それらの大学は定年が長くなっておる。

(なお、現在はこのシステムは取られていません)

(3)ずばり、前の大学で不祥事を起こしたからである。まあパワハラとかハラハラとか、最近は冤罪も多いけど、とにかくもみ消しか妥協か、とにかく出てってくれということで決着が付き、それを知らずに、いや知っていても、次の大学でありがたく受け入れたのである。

(4)ずばり、うんざりしたからである。最近の帝国大学はそれゆえに悩みが青い。センター・オブ・エクセレンスでなければいけないのだ。そうした研究費獲得競争に疲れたのである。大学行政に疲れたのである。そんな事務作業とは無関係な特任教授として就任するならば、そうした雑務とは無縁なのだ。

(5)ずばり、一身上の都合である。

雑感 | trackback(0) | comment(2) |


2010/08/06 (Fri) 青春ミステリ

貫井徳郎『明日の空』集英社、2010.5 読了。

『慟哭』、『失踪症候群』、『愚行録』など、寡作ながらも粒ぞろいの物語を書いてくれる作家。今回は10年ぶりの書き下ろしだそうだ。170ページほどで、あっさり読み通せる物語。3部に分かれている。

帰国子女の女性が高校3年と大学1年を経験する。これが第1部と第3部だ。しかし第2部がわからない。六本木における日本人大学生と黒人の交流。奇妙な友情。いったいこのインターバルがこの若い女性と何の関係があるのか。よくわからないまま、物語が進行する。

帯に寄れば「この衝撃は他言無用に願います」とあるが、なるほどという納得感はあったトリックではある。やはりその部分はミステリと呼べるのだろうが、しかしむしろ青春物語というところだろう。

帰国子女の女性が高校生活に馴染むための努力と違和感、その女性が大学に進学して垣間見る、一見して華やかで自由な空間。のびのびしている。

むしろ読後はミステリというよりも、題名に込められた小さな物語というところでだろう。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2010/08/04 (Wed) コメント係

最高ですか! と高齢者に訊いた柿柳です、こんばんは。

>今回は(前述したように)「説明せよ」という記述問題3題だった。しかも、応用問題ではなく、授業でオレが説明したことをそのまんま書いてください、という問題だった。「そんなんアホでもできるやん」と思われるかもしれないが、出来てない人が多いので驚いた。(「mutescreamer」)

いやいや、【な】さん、まだまだ学生を誤解してまんな(なぜかここだけ偽関西弁)。学生は教師の言うことを3%だけ理解するという実証研究もあるぜよ。つまり「ここ、試験にでるから」と高校生向けのように行ったとしても、100人のうち3人しか覚えていないということであった。げにおそろし。

>それで、学部ごとの平均点を出してみた(25点満点を100点換算)。→法:55.4 (n=19)、経済:28.8 (n=5)、経営:56.7 (n=22)、理:50.8 (n=43)、文:驚きの79.5 (n=15)。企業のみなさん、こんな文学部の学生さんをどうかよろしく! (「mutescreamer」)

こりゃたまげた! 何なのこの有意差?! もちろん個数が少ないから有意じゃないかもしれないけど(優衣でもない?)、文学部の驚異のできは何なの? 真面目なビジネスマン管理職の人は、真面目に採用戦略を見直さなきゃダメだね。しかし経済と経営の区別ってわかんないけど、どうしてこんなに差が出てくるのだろう。まあ、経済の5人がダメダメだったということかな。

>おにゃんこクラブだったら山本スーザン久美子とか多少名前は覚えているのにモーニング娘。は誰ひとりわからん、みたいな時代の流れから取り残された感覚を味わった。(エキスパートモード)

なぜ山本スーザン? せめて城之内早苗にして欲しい。

>85歳とか90歳とかになる娘(or息子)が特殊メイクでもして、「ワシが110歳のおじいちゃんじゃ」などとテキトーに言っておけばバレずに通ってしまうんじゃないだろうか。(プチ日記)

さすがNaguraさんです。常人とは発想が違います。感服します。わたくしも加齢マスクを被っています。なにしろ、加齢なる准教授ですからね。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2010/08/03 (Tue) どうでも三行半

君の結婚生活は、と尋ねられた柿柳です、こんばんは。


むかしオレが新婚生活だった頃、娘はコンカツ中で、女房には三行半だった。わかるかな、わかねんぇだろうなあ。

ま、わかりたくもありませんが。三行半とは、さんぎょうはんと読んでは叱られます。むかしむかし男がまだまだ強くて封建的だったころ、女房にはこれぐらい分量で十分やろ、ということで離縁届を三行半で書いたことに起因しているらしいです。


ま、最近は女の方が強いから、女から叩きつけられても、そう呼ぶのだろうか。あ、もっと短くて二行半というのはどうだろう。男から女へ、三行半。女から男へ、二行半。

ところで、まっさらな試験答案用紙に、わずか三行半しか書いていないと、めげるねえ。


ま、どうでもいいけど。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2010/08/02 (Mon) またまた勝手にコメント

映画の日だった柿柳です、こんばんは。

>最後の試験おわた。ひとつ、「就職が決まって、落とすと内定取り消しになりますので、よろしくお願いします」という但し書きがあるのがあった。そういうのを見ると落としたくなる、むしろ。(mutescreamer)

フツウにワロタ。そう、そうなのである。大学人はひねくれたうえに意固地なので、扱いにくい。というわけで、単位が欲しいゆとり君学生は、しっかりと戦略を練られたい。「まあ、この程度の科目を落としてもワタシ的には何ともないですが、まあ、どうしてもというならば、60点程度ならば、受け取らんこともないです。」とでも答案の裏に書いておけば、ひねくれた巨漢の(いや、タイプミスですよ、教官の)注目をひくこと間違いなし。

もちろんわたくしは責任を負いません。

>体重71.6kg 前日比+0.4kg。意外に増えてないのな。(mutescreamer)

体重への反映は約2日後です。当日には反映されません。


>でも会社組織というのは偉大です。無駄が多いかもしれないけど。(文鳥日誌)

会社組織に限らず、何でも当てはまります。「人間」「国家」「家族」「つれあい」「親」「子供」「親友」「ゴルフ」「イカスミ」、ほら何でも当てはまるでしょう。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


| TOP |

プロフィール

profky

Author:profky
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード