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2011/06/27 (Mon) 黒い白鳥

早くも夏ばての柿柳です、こんばんは。

最近、というよりここずっと、人生全般に関してやる気が出ないので、映画を見ることにした。あ~あ、無気力だな、毎日が日曜日。

Black Swanである。ずいぶん前から見ようと思っていたのだが、どうもサスペンスっぽくて、気力が萎えている時には落ち込んだり怖くなってしまうのではないかと思って、敬遠していた。ようやく少し時間ができたので、満を持してスクリーンへ。

最初の場面もバレエから始まる。そのカメラワークと音響を体験して、これは大変な映画だとすぐに確信する。肉体の限界に迫るバレリーナの躍動する動きを、非常に近接してカメラに収める。見事な始まりだ。

白鳥の湖。誰でも知っている話であり、誰でも知っている踊りであり、誰でも知っている音楽である。その当たり前を、衝撃的な映像に転嫁させ、圧倒的な存在感の音楽で添える。そんな映画である。

主役のナタリー・ポートマンは圧倒的な存在となった。レオンの少女役から、スターウォーズの王女役へ、次々と主役を射止めて。現代を代表する女優になった。その中でもこの映画は代表作となる圧倒性を持っている。

白鳥と黒鳥。正確性と妖艶さ。どちらも持っていないと人々を感動させられない。正確性を持つ白鳥は、どのようにして黒鳥を演じることができるのだろうか。そこに葛藤がある。妖婉さを引き出すために、やがて白鳥は現実と幻想が区別付かなくなることによって、黒鳥の妖婉さを引き出すことに成功する。

圧倒的な映像である。映像と音響がみごとに混合した映画である。

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2011/06/25 (Sat) オリンピック予選

灼熱のクウェートにいた柿柳です、こんばんは。

サッカーは予選が一番おもしろい。

オリンピック二次予選、今までにない形式の試合。ホーム&アウェイというこの時期ではありえない方式。この時期にこのレベルの相手と当たるのはあまりない話。ホームでは快勝したが、アウェイはあまりに遠い。中3日で時差6時間。ただしあまり悲観はしていなかった。

まず審判に注目。レベルの高い審判にぶつかれば、スマートな戦いの日本はそれだけ勝てるようになるのだ。実際、ホームでは中東の審判だったので、かなり不利な判定をされていた。今度はウズベキスタンの審判。アジア最高の称号を持つ審判だ。これは良い。勝つなと確信する。この審判を当てるというところに、日本サッカー協会あるいは東アジアサッカー協会の発言力があるということになる。

しかし灼熱の中東はサッカーをする環境ではなかった。常に40度。あまりに暑く、日本だけでなく地元のクウェート選手も次々とばてていく。これではサッカーにならない。それでも最低限でも引き分けにならなくてはいけないのに、逆転負け。今回はかろうじて次のステージに進めたが、今後には赤信号だ。それは今後、クウェートと対戦する時の心理状態である。ここで追いついて、あるいは勝っておけば、絶対的な苦手意識をここ数年は絶対に与えることができたのだ。

これで12カ国が残った。そのうち中東は7カ国。中国と北朝鮮が負けてしまったのが大きい。東アジアの地区が勝ち抜かないと、こちらの有利な日程や地域にならない。この意味で今回は残念だ。確かにシード国の中国が抜けたので、韓国とオーストラリアに当たらなくて済んだのは良いのだが。

暗雲がこめた最終予選である。今回は4番目でようやく勝ち抜けそうな予感だ。

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2011/06/23 (Thu) 素直な戦士たち

北の教官に共感した柿柳です、こんばんは。

北の教官とはhttp://d.hatena.ne.jp/toshikk/20110623/1308802433の教官であり、バトルロワイヤルにおける北野教官ではない。もちろん共感と叫喚を掛けている。阿鼻叫喚である。

北の教官によれば、最近の学生は素直だそうだ。わたくしも似たような感触を得ている。どうも誘導に引っかかりやすいのだ。「何をやったらよいかわかりません」というので、「(もちろん今から言うのは例示だが)~~という視点もあるんではないの。もちろん違う方法もあるだろうけど」などと答えると、「~~」だけやってくるというようなことがよくある。

こりゃ、国際競争には負けるよな。確かに昔よりも、国際競争を意識せざるを得なくなった。どんな場面でも統一統一また統一。世界標準だの、という基準がはびこっていて、そちらに合わせないと息絶え絶え、合わせても絶え絶えという世界である。

そんな場面で、「何をしたら良いかわからない」子羊たちが、ちょっとの誘導で右往左往という場面が多くなれば、世の中はもっと暗くなる。暗さの一因は単に景気が悪いとか、政治が悪いということではなく、何をしたら良いか分からないし、何かにすぐにすがりたくなるという心性にあるだろう。

こんな時は、叡智にすがるのが良い。孔子様も言っておる。

「学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち危うし」
「学べば則ち固ならず」


個人的には「君子に三戒あり」が好きである。自分がどれも守れないからである。ちなみに三戒とは、若いときの好色心、壮年の闘争心、老年の執着心である。

ちなみに、「素直な戦士たち」というのは城山三郎の小説の題名である。

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2011/06/20 (Mon) 霞ヶ関のドブネズミ

今日もあっほら、よいよい、飲んだくれて酒の飲まれて、女と泪の柿柳です、こんばんは。

久保田祟『官僚に学ぶ仕事術』マイコミ新書、2011.5 読了。


内閣府に勤める役人の新書。マイコミ新書って何よ、と思っていたら、毎日コミュニケーションだそうだ。求人広告?で有名。その割にには新聞社の悪口も書いてあった。1976年生まれで、京都大学人間科学部そつ。この学部って何だろう。よくわからない。それでも法律職で受かっているから、試験には強い。

さて官僚の生態は、柿澤弘治『霞ヶ関3丁目の大蔵官僚は、メガネをかけたドブネズミといわれる挫折感に悩む凄いエリートたちから』で赤裸々となっているから、それほど新しい情報があるわけではない。相変わらずの残業残業これ残業。国会運営の待機がすべての元兇。こんな周知の情報なのだが、実は知っている人もごく少ない。事務次官と事務官の違いもわからない人が大半だそうだ。あっそ。

ニート関係のNPOにも関連し、また若手霞ヶ関改革の会も入っているらしい。

第1章の「霞ヶ関で求められる仕事術」が反面教師。いかにつまらない省間交渉が官僚を疲弊させるか、そして国家議員の法律作成能力の無能さがあからさまとなる。まあこの辺も旧知の情報。昔から変わっていない。割合におもしろかったのは、その後の心身術、英語術、読書術、プライベート術といったところ。この辺は新しい官僚を予感させる。

若い官僚は既に天下りの絶望があるので、それ以外の活路を求めているのだ。中でもイギリスにMBAを取りに行った話はおもしろい。各国から集まった同級生がいかにすばらしいか、そこから新しい生活が見えてくる。つまり積極性、肯定感、私的楽しみ、というところだろうか。すべて日本に欠けたスタイルである。

国会答弁作成のプロセスは、質問されてからではなく、その前から始まっている(25)。メールは件名が大事。時にはファックスを使え(72)。自分から情報を発信することは、面倒さを除けば良いことだらけ。実は情報が集まってくる(80)。

英語のプレゼンは1行6字で1スライド6行まで。ただし最後はスライドではなく、自分自身がプレゼン対象(93)。全国の20-30代のビジネス人は年に3.1冊のビジネス書を読む。4冊読めば平均以上だ(104)。テレビや新聞を見るな。ネガティブな情報ばかり。偏った情報ばかり。気が滅入る(116)。

外国人との意思疎通は、英語の発音というよりも、相手の名前を覚えること、会ったらニッコリ笑うこと、の方が重要(123)。英語での質問力は、語学の問題というよりも、問題意識の差にある。興味ある論題を間髪入れず質問(157)。

課外活動で気をつけること。本業での成果を人並み以上に出しておくこと(181)。日本病=日本や自分の欠点ばかりを探す負の心理的傾向(185)。

努力少なく節約できる部分は固定費=家賃、保険、車。節約の実り少ない部分=食費や光熱費(198)。他人を説得して変えるのは無理。変わったように見えても、実はその人々が自発的に変わっただけ。自分の外部は変えられないと悟れ。それよりは自分の思考や感情こそが変えられる、制御できる(205)。

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2011/06/17 (Fri) 阪急に載る

阪急電車に乗ってみた柿柳です、こんばんは。

あっと、訂正するぜよ。『阪急電車』という映画を見てみただけぜよ。ぜよ、って何だぜよ。

阪急というとブレーブス、ということしか思い浮かばない。タカラ図化、いや宝塚も関係しているのだろうか。この辺はよくわからない。というわけで、阪急電車が何を指すのか、よくわからない。今回の映画はその中でもローカル線のような支線だったようで、これまた何を指すのか、よくわからない。

しかし土地についてはよく分からない方が良いのだ。それと映画は関係ないのだ。

有川浩、という男の作家が作者である。もちろんウソで、女の作家である。名前をサッカクしてしまったではないか。性別誤認トリックと言うべきだろうか。

この人の本は既に『図書館戦争』やらで読んだことはあった。そして最新作?だかの『県庁 おもてなし課』も読んでおいた。この人、関西出身じゃないじゃ~ん。じゃ~ん、なんて今時、横浜でも言うのか。じゃ~ん。高知主神である。そして高知の話であった。

さて、阪急列車である。これは小さな女の物語である。決して小さな女ではない。小さな物語である。日常から2メートルほどの物語である。そして男の話は大きなホラ話である。SP革命編がそうであった。なにやら地に着いていない、理想ばかりの大がかりなプロット。これが男の典型だ。

それに対して、この原作は徹頭徹尾、女しか出てこない。幼稚園児、小学生、高校生、大学生、30過ぎたOL、40過ぎた専業主婦、そして孫娘を叱咤するおばあさん。それぞれの女の意地が炸裂し、電車の中で交錯する話である。

犬を飼いたい孫娘。いじめにあった小学生。馬鹿な社会人カレシを持つ高校生。DVの情けない男がカレの女子大生。オタクとウイウイシサの女子大生。後輩を寝取られたOL。厚顔ばあさんにつきあいたくないOL。そして嫁と疎遠なおばあさん。

中でもおもしろかったのはウイウイシイ、田舎もんの女子大生である。よくもまあ、こんな田舎くさい女を捜してきたもんだ。みんなモデル顔、つけまつげバクバク顔、なのに、この人だけ高校生が頑張って大学に行っているような風情。とにかく顔がでかいのだ。それが他の女優と違うのだ。

他の話もおもしろい。わずか15分の片道で交錯する人生模様。男に振り回されていた人生をあっさりやめて、しなやかにしたたかに生きる女群。そうした小さな話の物語である。

少し気になったこと。この関西弁は本物なのだろうか。関西弁は真似しても習得できない言語である。それよりは生粋の神戸人、大阪人をキャストにすべきだろう。

この映画は原作を同じように、おもしろい。涙が出ること請け合いである。

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2011/06/15 (Wed) 法廷推理

へろへろになった柿柳です、こんばんは。


テキスト庵界隈で、「戻ってきてくれ柿柳」という声が絶賛発売中だったので、あえて別名のブログを休止し、こちらに戻ってきた次第である。やっぱり期待されるってありがたいですな。

http://tkj.jp/book/?cd=70836401

「このミステリがすごい 大賞」というのがある。国内賞金最大の1200万円をくれるという宝島である。この大賞を取ると文庫版がでる。余りたいしたことがないノアールものが多い。たいしておもしろくない場合が多い。どうも浮ついたガサガサした作品が多かった。途中で読むのを止めたのも複数。

しかし本作は違った。まっとうな法定推理である。感動を呼ぶ。最近はやりの少年法どうよ的な涙頂戴ものとも違う。ただし交通事故の話を扱っている。きちんと技巧的なミステリになっているにも関わらず、さらにきちんと丁寧な人物造形になっている。

ミステリ読みとしては、どうしても不自然な記述に注目せざるを得なかった。そしてそれが驚きのキモになるのだろうと予想していた。そしてその通りにはなった。不自然な記述だったからである。しかしそれがわかっても、物語を盛り上げる文体は変わらない。

この人はデビュー2作目であるが、こちらの方が評判が良いようだ。大逆転の裁判ものを味わいたい人は、ぜひ読むべき注目の新人である。

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2011/06/14 (Tue) 変数が1つの映画

1週間のご無沙汰でした、8時半の男、柿柳です、こんばんは。

ま、このフレーズを聴くだけで、だいたいの年がばれてしまうよねぇ。さて、このわたくしめ、なぜ今日の柿柳を書いていなかったのか、まずは軽くクイズといきますか。

(1)党員停止30日の刑だったから。
(2)遠い星へと旅してみたいの。
(3)他人名義でテキスト庵に出入りしていたから。
(4)単に忙しかった。暇だけど。
(5)この中に正解はない。

正解はコメントの中で。

さて、映画を見てきた。『X面 第一世代』である。原題を見てみたら、X men: first classとなっていた。ビジネスクラスの上ということだろうか。

このシリーズは見たことがなかった。CMで散見するほどである。どうも荒唐無稽な変身ものには触手がなかった。しかしどうにも映画を見に行く必要があったのだが、見たい映画は場所や時間で合わず、ちらっと見たあらすじで見ることを決意した。

これがキューバ危機を扱っているからである。この歴史的事象をどのように描くのか。潜水艦を引き上げてしまう場面だけはCMで流れていたので、さてさてというところであった。

結果的には非常に良かった。笛吹きさんが好きな古典大学も出てくるし、ナチスドイツも出てくる。そして今はまったく描かれなくなった冷戦時代のソ連の荘厳さが出てくる。これだけで十分に楽しい。ケネディの実写も使われているし、何しろ楽しい。

ミサイルが降ってくるシーンは圧巻である。最初のCIA女潜入官の下着姿も良い。

見所満載である。

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