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2010/02/05 (Fri) 粘膜蜥蜴

飴村行『粘膜人間』角川ホラー文庫、2008.10
飴村行『粘膜蜥蜴』角川ホラー文庫、2009.8 読了。

普段はホラー小説など読まないが、後者が「このミステリーがすごい」第6位、「ミステリが読みたい!」(早川書房)第9位となっていたので、さっそく検索して読む。前者が第一作目となったので、世界観をわかるためには始めから読むべきだろうと思って。

前者は日本ホラー小説大賞長編賞に輝いている。つまりデビュー作であり、確かに荒削りだな。一言にすれば、エロ・グロ・ナンセンス。こんなテイスト、嫌いじゃないぞよ。最後まで何が粘膜人間なのか、よくわからなかったが。

前者ではカッパが準主人公。後者では蜥蜴人間が準主人公。どちらも主人公は昭和時代の軍国少年なのだが、このグロい生物たちが、縦横に駆け巡るのである。その会話が妙。前者で垣間見させていた諧謔趣味が、後者で爆発する。とにかく独特の文体が楽しい。

カッパのモモ太「おっかねぇっ! 鉄砲はおっかねぇっ! クソ漏れるぐれぇおっかねぇっ!」(前者71)
蜥蜴人間の富蔵「だから『爬虫人』イコール『鉄棒を喉で曲げる』という発想は完全に間違っておりやす」(後者244)「ぼっちゃん、女はおっかねぇです。女なんて一皮剥けばみんな魔性のメス猫です。油断すると心を鷲摑みにされてメロメロにされやすよ。お気をつけ下せぇ」(後者270)

その他、前者ではグッチャネというのがおっかねぇし、後者ではナムールのジャングルがおっかねぇ。特に文学者を名乗っていながら、文学にモラルを求めている林真理子の選評がおっかねぇ。

などと書いてみたが、前者はやや退屈か。光る部分はもちろんあるが、十分ではない。それゆえの大賞ではない。しかし後者には感心した。三部構成が見事に成功しているし、何よりもホラー、ユーモア、に見せかけて、実は大事な一点を巧みに隠して、最終ページによって真相を明らかにする、というミステリ的手法を見事に取り入れているからである。しかも、それが真相だとすると、いままでガハハと笑っていたシーンが、すべて驚愕なホラーに変換されてしまうから、二度おいしい。

後者が高い評価を受けるのも頷ける。世界観を見るためには、まずデビュー作から読み、次にパワーアップした二作目に進むのが良い。ただくれぐれも、この小説を楽しもうという人はまず、エロ・グロ・ナンセンスに親和がないといけない。

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