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2010/02/11 (Thu) 刑事の物語

貫井徳郎『後悔と真実の色』幻冬舎、2009.10 読了。

ベストテン集計の終盤ギリギリに駆け込む出版物はなかなか難しい。見逃すことになるからだ。本書は「このミステリがすごい!」第28位、「本格ミステリベスト10」第9位、となっている。

デビュー作『慟哭』は衝撃的であった。もうずいぶん前である。その時も刑事物であった。しかしどんでん返しがあった。リアリズムの追求と、トリックの冴え。デビュー作は両者を融合させた傑作であった。

本書もまた刑事物である。かなりパワーアップしたトリックである。基本的にはフーダニットでよいだろう。しかし自分は、これを見逃してしまった。最初の条件を除外し忘れて、最初からこの人物が犯人である、と決め撃ったところ、それが当たってしまった。しかしそれは最初は排除されたはずであった。そこを忘れていたから、たまたま当たっても仕方ない。しかしその当て方は、連載中のトリックを使ったものである。

今回は警視庁捜査一係におけるチームの話。そこに所轄、機動捜査隊がからまってくる。この刑事の階層化が見事である。「踊る捜査線」などで、官僚と所轄という対立は有名になった。本書はそのような形ではなく、あくまでどちらも現場にこだわる刑事なのだが、そのこだわり方がまったく違うという点で特徴がある。

捜査一係の面々はどうしてここまでくせ者なのか。スマートなくせ者である。主人公が最たる者。名探偵という揶揄で語られるが、確かに鋭い。人間関係のなさも鋭い。そしてそれが致命的な欠陥になって、大いなる悲劇につながるのだが。その他も面々も非常にこだわりがある。表面上飄々としていても、こだわりがある。まさに男の中の世界。そう、この物語では、女はほとんど登場しないのだ。女刑事はゼロ。これも最近は珍しい。女が登場するのは、妻として、浮気相手として、のみ。徹頭徹尾、男にしか受けない物語であろう。実際、この作者に女性ファンがいるのだろうか?

本書の感想を一言にすれば、女は怖い、男はしつこい、というところだろうか。前の本と同じになってしまった。

見事な犯人の隠し方であった。しかし最初の条件を忘れてしまえば、逆に不自然な箇所は多くあるので、多くの箇所で犯人は推測されてしまうだろう。しかし本書のうまみはそこではない。刑事という特殊な職業の中で、いかに普遍的な男の嫉妬と無関心が描かれているか、という点にある。

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