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2010/02/21 (Sun) 小市民の星

好きな漫画家は○○○やす○○の(特にくわっと見開くキャラの)柿柳です、こんばんは。さて、正解は誰だろうか。

米澤穂信『春季限定 いちごタルト事件』創元推理文庫、2004.12 読了。

2010.1で既に24刷になっていた。非常に売れているのだろう。小市民シリーズの第1弾。こちらを先に読むべきであった。誰が主役か、第3弾ではよくわからなかったので、小説の楽しみが減じていたのだ。

ライトノベルが得意な作者であるから、あくまでも文体はライト。しかしライトであるから、余計に人々の苦しさが明らかになってしまう。この小市民シリーズは2000年代における若者の典型的な思考だろうか。

かつて名探偵が存在した。名探偵という装置が存在した。常識人や普通人よりも抜きんでた推理力を持ち、快刀乱麻の活躍で真相を探り当ててしまう迷惑な存在。しかし痛快な存在。その名探偵装置は既に過去の幻想になってしまった。名探偵が活躍できたのは、金田一耕助までであろう。その後は、何らかの自覚がないと、このような非現実な存在を小説の中でさえも許すわけにはいかないのだ。

さて小市民シリーズである。優れた推理力を持ちながら、それを極力隠し、平穏無事に日常に埋もれたいと思う高校生男女の物語である。この設定が既に悲壮感漂う。優れた思考力をひけらかすことが、既に自分を傷つける悪徳になっているのだ。そこで徹底的に事件に巻き込まれないようにする。そこで一組の男女が、恋愛関係にも依存関係にも目を背けて、ただ単に互恵関係のみを目指す。つまり名探偵装置が働きそうになったら、その深みにはまらないように、相手をその時だけ利用して、元の平穏に戻ろうとする。

しかし、ああ、それなのに。優れた推理力はいつのまにか発揮されてしまうのだ。そして自己嫌悪に陥るのだ。これでは小市民への道は遠い。「そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を」。

痛々しい若者の物語である。このような若者に興味がある人は読むべきであろう。もちろんいちごタルトへの愛、単なる粉ココアからとんでもない良質のココアを作る方法、盗まれた自転車に暗示される密かな企み、これらを知りたい人はすぐに本屋に走るべきであろう。

ちなみに小市民とはプチ・ブル(ジョア)である。イヌの名前ではない。

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