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2010/08/12 (Thu) 貴族探偵

摩耶雄嵩『貴族探偵』集英社 2010.5 読了。

5年ぶりに新作。痛快である。あまりに寡作な作家だが、これで食っていけるのだろうか。印税も1年間で数百万ぞろぞろと入ってくるのだろうか。アルバイトなのだろうか。他人ごとのながら心配になってくる。まったく新作がないような殊能将之(ハサミ男という傑作)も、きちんと料理しながら生活しているようだし。不思議だ。

http://twitter.com/m_shunou

それはそれとして、たいへんに感心した。貴族探偵という範疇である。当然のことながら筒井大先生の『富豪刑事』を思い出す。深キョンが主演してドラマにもなった。富豪がなぜか刑事になり、その巨万の富にあかせて事件を解決してしまうという物語。これもコンセプトが良い。

貴族探偵もそれに類するのかと思っていた。探偵小説の分野では、安楽椅子探偵がいる。安楽に座った名探偵が、自分ではまったく動かず、話だけ聞いて真相をずばずばと当てるという物語である。

しかしこの貴族探偵は推理すらしない。使用人が推理するのである。なぜならば、文中の主人公によれば、推理は労働であり、そのような下卑た行為を貴族がするはずないではないか、単に推理する使用人を所有しているだけ、という立場なのである。

見事な造形である。推理すらも下卑たもの。これはその通りかもしれない。芸術も学問も、労働。貴族はそれを所有することで、飾りの世界にいる。そうした貴族社会が確かに存在した。そしてその時に、芸術も学問も開花した。現在、貴族は衰退し、すべてが資本主義の中に取り込まれたとき、芸術も科学も衰退せざるを得ない。皮肉なことだろうか。

推理する使用人は、メイド、運転手、執事である。そしてこの貴族探偵はやたら女たらしである。こうした外枠だけでもワクワクする。そして当然のことながら、その推理内容も一級品である。

内容と外形にそれぞれ意匠を凝らした傑作であろう。

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