蠢動した柿柳です、こんばんは。
映画『ジーン・ワルツ』を見た。つい最近、原作も読んでいたので、ちょうど良い機会だということである。文庫化されるタイミングで、封切りも行われる。
菅野美穂の主演である。たいして好きな女優ではないのだが、今回はよく演じていたのではないか。原作ではもう少し複雑な医療問題が議論されていたと思ったが、映画ではむしろかなり限定された人間関係のみが描かれている。
原作者は『チーム・バチスタの栄光』で大ベストセラーサッカーになった。その後、次々と医療ミステリを書き上げ、いずれも大売れ。わたくしも何作も読んでいるが、とにかく軽快。時にはあまりに無理な修辞となっているが、それでも疾走する語感がちりばめられている。
原作者のメッセージは実は単純で、医療対司法という戦いだ。実際、医療が崩壊しつつある大きな原因に、司法による強制介入が挙げられる。奇しくも、先日、心臓移植手術の和田医師が死去したところだ。
原作では明らかな司法との対決も、映画ではむしろ4組の妊婦を集中的に描いている。代理母の問題は含んでいるが、むしろ社会問題ではなく個人問題になっている。それはそれでありうる描き方になるのだろう。
エンディングが小田和正だったので驚いた。滅多に楽曲は提供しないだろう。
原作では続編もあるようだ。さっそく読んでみるか。
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