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2009/06/15 (Mon) 動物農場

『動物農場』DVDを見た柿柳です、こんばんは。

ずいぶん前に読んだ本である。言わずと知れたジョージ・オーウェル原作。ハルキさんがなぜか『1Q84』などという新作を書いているから、困った題名である。もともとオーウェルが1948年に書いた近未来恐怖小説ということで、『1984』という題名になっていたのだ。それを花丸ハルキさんが本歌取りしているのである。IQ84の物語という意味も含めている(この辺は読んでいないのでデタラメ)。

さて『動物農場』である。初めて本格的に英語で読んだ小説であった。もちろん先に『1984』を読もうとしたのだが、もちろん挫折して、より簡単に書かれているこちらから入った。大学に入る前であったから、ひいひい言いながら、何とかざっとは読んだだろう。その後、もちろん2つとも邦訳で読んでおいた。

そのアニメ版である。なぜかスタジオジブリが関係しているとあるから、日本で新作を作ったのかと誤解していて、買ってみた。ぜんぜん違う。イギリスがほとんど初めて作った長編アニメなのである。1954年作品なのである。半世紀以上前なのだ。というよりも原作が出てからほぼすぐに企画され、数年後にできあがった作品なのだ。今から懐古的に振り返る、などという作品ではないのだ。

それゆえ、徹底的に暗い。もちろん原作が暗いからであるが、とにかく気が滅入る。筋は簡単。人間を追い出して、動物すべて平等、という革命を起こしたのはいいのだが、知的な陰謀にたける豚集団、とくに頭領ナポレオンが台頭し、すべての他の動物を支配していくのだ。革命のあとは独裁者あり、という歴史的事実をこれほど如実に示した物語はあるまい。そして理想に向かった革命が、いかに巧妙に換骨奪胎され、まったく異なった独裁制を生み出すのか。

フロムはこの事態を、自由からの逃走、と呼んだ。この作品の暗さは、まさに現代の暗さを直接に示している。なおこの作品はCIAの資金援助でできたという噂があるらしい。それをなぜいまジブリが出すのか、これが最大の謎である。

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