fc2ブログ
2011/03/22 (Tue) 旅行者

エア管理人の柿柳です、こんばんは。

そうそう、テキスト庵では仲良くね。


過日、『ツーリスト』を見てきた。通常ならばまったく食指も動かない映画。ただ予想以上によいというブログを見たこともあり、何か映画を見たかったこともあり、これにしてみた。すると期待以上に良かったのである。

見所はいくつもある。

・フランス語、イギリス語、イタリア語、アメリカ語が交錯する話。
・元007のティモシー・ダルトンが良い。追いかけ役の上司として登場。
・主人公の女にはさほど感心せず。そんなにいい女かねぇ。浅丘ルリ子に見えるけど。
・主人公の男はそんなもんかねえ。三枚目を演じるのはむずかしい。

・美しいヴェニス、そしてパリの風景。
・いかにもイタリア人、いかにもフランス人、いかにもイングランド人。
・主人公が無理してイギリス語を話そうとするところ。

・そして最後のどんでん返し。これは予想していなかった。なるほど、これはミステリでもあったのか。

ヴェニスにあこがれる人はすぐに見るべきだ。そしてイギリス語が好きな人もすぐに。

雑感 | trackback(1) | comment(0) |


2011/03/21 (Mon) SP革命編

全身、躁鬱状態の柿柳です、こんばんは。

過日、『SP革命編』を見てきた。街の映画館はかなりの人が入っていた。最近は映画館も分割されているから、なかなか満員の映画館を体験することもない。もともとレイトショーばかり見ているから、閑散とした場面が多いのも一因だ。満員の方が雰囲気は出るが、マナーの悪さが目に付くようにもなるから、痛し痒しであろう。

さて前作の『SP野望編』を見ていて、消化不良だった。テレビシリーズも漫画も見ていないので、これだけみていれば何のことやら、なのだった。そこで3ヶ月後にすぐ封切られるこちらの完結編を見る。どうもこの手法が目立つのか。本当は1つの映画にしなくてはいけないのだろうが、一粒で二度おいしいという二匹目のドジョウ状態であろうか。単にカットができなかったものを2つに分割しただけなのか。

とはいえ、全体的には臨場感があり、前作よりもはるかに楽しめた。こちらが本命であろう。SPの統括係長そのものが裏切り者であり、こともあろうに部下の大部分も裏切りに荷担する。それを知らされていなかったのが主人公のチームだけであり、それが救世主となるのだ。

この映画は、香川照之と堤真一の怪演に尽きる。このところ非常に評価が高い2人である。次々と主演をしているのも無理もない。この2人の演技を見るだけでも十分に元は取れる。

物語は陰鬱だ。時代を象徴する運び方になっている。この映画を見て本当にテロに走る輩もいるだろう。その意味で十分に危険である。汚職を重ねる政治家。閉塞感漂う一般人。正義感だけがある重要な人物。すべてを手玉に取ろうとする高級官僚。そして単なる破壊活動に悦楽を見る非合法な殺人者たち。こうした状況に己の野望を求めるさらなる政治家。

というような話である。二・二六事件の決起と同じではないか。あのときも雪が降っていた。目的があまりにも崇高で大きすぎて、どんな手段も正当化されると錯覚してしまう。これが「大きな話」の醍醐味だ。

SPの大部分が寝返るのは不自然、大型武器を国会議事堂に持ち込めるのは不自然、などという瑕疵はあるが、まあ臨場感はあるだろう。何よりも真木よう子という女SPの存在に注目した。知らない役者だなと思っていたら、ちまたでは、かくれ○乳として有名な存在らしい。そうかと思って画面を注目していたら、なるほど納得のすごさである。うーん。

真面目な岡田君の愚直さが光る。思想的には危険だが、娯楽的には爽快感がある。そんな映画である。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2011/03/19 (Sat) 空中ブランコ

『空中ブランコ』を読んだ柿柳です、こんばんは。

これが本物の直木賞受賞作である。5つの短編集。同じように味わい深い。いずれも執着の恐怖がだんだんと緩和されていく人間喜劇を扱う。

表題作は、人間不信になったサーカス団員。むかしサーカス一団は大家族であった。それが今はサラリーマン社会になっている。それについていけない昔気質の団員。花形の空中ブランコで何度も失敗してしまう。その治療に応じる伊良部医師。なんと空中ブランコをやらせてくれと頼むのだ。豹をじっと眺めるばかりのマユミ看護婦。

「ハリネズミ」は尖端恐怖症のやくざ。三流とはいえ私立大学卒業なので、若くして幹部候補生となったのは良いが、その威勢もなぜかナイフが怖い。このままではやくざをやっていけない。。。いくつかの難関を突破する。やはり突っ張って生きてきたのか。その拘りを悟ってしまったら、つきものが落ちるように氷解する。

「義父のヅラ」。玉の輿の乗った勤務医。このまま医学部教授の道も夢ではない。しかしどうしても義父である学部長のヅラが気になって仕方ない。そのヅラを暴いてみたい。このような衝動を相談するために、同級生の伊良部へ。回答は、突撃せよ。本当はいたずらっ子の主人公がその抑圧を解くときがきた。

「ホットコーナー」。一流プロ野球選手のスランプ。まっすぐに投げられないのだ。同じポジションの大型ルーキーが気になって仕方ない。最後は無心に球を追いかける情熱が必要。

「女流作家」。本当は文学的な作品を書きたいが、売れない。時流に乗った軽い文体、マンネリの展開を得意とするベストセラー作家。しかしだんだん主人公が増えて、この名前や状況を一度使ったかどうか、どうしても気になってしまう話。この最後に、感動する無愛想肉感看護婦マユミの素直な心情が吐露される。

いずれも楽しい短編。第一弾から順々に読んでいくべきだろう。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2011/03/17 (Thu) 直木賞受賞作

教授会で演説をぶった柿柳です、こんばんは。

奥田英朗『イン・ザ・プール』文春文庫、2006.3 読了。

この作家は有名になっていたので、知ってはいた。確か『最悪』という本を手に取ってみたのだが、普通のクライムノベルかと判断して、買うことはなかった。直木賞を取ったことも知っていた。

しかし新しい作家も挑戦してみるかということで、改めて手に取ってみた。1つは『空中ブランコ』という受賞作の第一弾であること、もう1つは「たちっぱなし」という収録短編に惹かれたためだ。

というように、5つの短編を集めた文庫だ。表紙もきれいであったし、割合に薄かった。伊良部総合病院精神科に飛び込む患者の話である。この伊良部医師が良い。二代目お坊ちゃんで、変わり者。「いらっしゃ~い」と患者を迎えてくれる脳天気な巨漢。そして注射好き。

さらにやる気のないたった1人の看護婦マユミ。この女、やたら美人で肉感的、しかもちらっと肌着を露出するのを楽しいんでいるよう。ただし恐ろしく無愛想で、美人が台無しになっている。

こうした造形の元、次々と患者が訪れる。いずれも強迫神経症なのだろうか。あることが気になって気になって仕方がなく、何かの症状が出てしまうのだ。それを脳天気な伊良部がああでもないこうでもないと脳天気な診断を下し、患者はばかばかしいと思いながら、最後はなるほどと氷解していく過程となる。

いずれも「執着」が主題であろう。表題作はブール通いが止められなくなるサラリーマン。「コンパニオン」では年増のコンパニオンが若さに執着する話。「フレンズ」は携帯が手放せなくなって、緩い友人の紐帯をどうしてもつないでおきたい男子高校生の話。「いてもたっても」は火を消したかどうかどうしても気になって出社もできなくなるサラリーマンの話。

いずれも、伊良部の珍妙な話術と態度が症状の緩和を導いていく。伊良部は子供のような無邪気さだから、世間体に対する執着はない。ただし自分の欲求には執着がある。このバランスが崩れたのが現代人というところだろうか。

とにかく読みやすい。軽妙な文体であるし、その割には何か筋の通っていそうな話である。
 

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2011/03/13 (Sun) 出張先にて

某所に出張中の柿柳です、こんばんは。

いやあ諸行無常だねえ。昔から天災にさらされる国土であったけれど、今度の惨事は1000年に1度の出来事か。今までは火災、土砂崩れ、建物倒壊が主な原因だったけれど、これほどの津波が日本で起こるとは、言葉もない。


わたしくにできることは限られているので、知人を励ましつつ、本当に手をさしのべられる場合はさしのべ、後は普段通りに生活したい。

そして早急に、ささやかな募金をしよう。献血は針が痛いので、決断のしどころだが。


そして1年後、復興なったその町に出向き、地元の商店街で飲食をして、散髪をして、帰ろう。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2011/03/04 (Fri) カンニングの末路

教育評論家の柿柳です、こんばんは。


なんか、雲行きが怪しくなって、京都大学が叩かれているようだねえ。何を隠そう、京都大学が第二志望であった(志望するだけなら猿でもできる、もちろん第一志望はバカ田大学である)この柿柳が、東鴨川帝国大学を擁護して進ぜよう。

だいたいテレビに出てくる評論家って、大学をひとごとのように、無責任に、投げやりに、そのくせ世間受けするように発言しているけど(それこそがテレビにおける評論なのだけど)、みななぜか○○大学客員教授だの、特任教授だの、特攻教授だの、なぜか大学の末席を汚しているヒトばかり。元高校教師であったり、元官僚であったり、元新聞記者であったり、元国体出場選手であったり、とにかくなぜかそんなヒトばかり。そんな人に限って、大学の日常の業務を知らないから(大学で授業がないときは暇だな、とつぶやいていた元官僚がいたな、そりゃ、暇なのはアンタだけだよ)、とんちんかんなことばかり。

カンニングされる大学が悪い、という声がある。

まあ、それもそうだろう、ある程度まで。しかしカンニング(この場合は業務妨害)をする方が、さらに悪くはないのか。この大学の監視体制は、カンニングを横行させるほど怠慢なものだったのか? そうならば、多くの受験生がカンニングし放題だっただろう。

警備装置の古い家に空き巣が入って、最新設備でないその家が悪いと、関係ない人が喚くようなものである。第一に悪いのは空き巣だろう。そして改善すべきはその装置であろう。改善を怠ったからといって、空き巣が無罪になったり、罪が軽くなったりするわけでない。

あるいは、その監視体制(だいたい試験会場は監視のみをしているわけではない、受験生が公平に最大限の実力を発揮できる空間を作るという教育目標が主眼だ)が悪いという人々を雇って、わたくしの代わりにやってもらおうか。実際に同じような動きができるかな。それができるならば、喜んでその業務を日払いで提供するだろう。ただし、その輩が悪人である確率は、大学人のそれよりも高いだろう(なぜなら、悪事を働こうとその業務に志願する悪人が紛れ込むからだ)。

だいたい今度の騒動で、わざわざ大学に電話をかけて、どなりちらす輩の方が、よっぽど大学の業務を妨害していないか? 意見があれば、ブログで公表するか、学長宛、入試部長宛に実名で、手紙を書けば良い。真摯な大学ならばそれには対応するだろう。電話をしても下っ端が出て、その人がやっていた本当の業務が妨害されているだけだ。

さてどうするか。試験会場から携帯電話で投稿できたとしたら、それを防ぐ手立てを強化しないといけないだろう。ESPジャマーでも張るか(超人ロックを参照)? 受験生全員を支給服に着替えさせるか? 空港で導入されるという噂の武器透視装置を買うか? 

いずれにせよ、入試の費用が確実に上がる。問題はそのコストを誰が負担するかだ。結局は、税金である。直接的か、間接的か、わからないが、結局は税金である。国立大学が追加要員を雇えば、どこかの費用が削られるか、追加分を国庫から補助されるか。どこかの費用が削られるならば、確実に教育および研究の質が落ちる(みんな、本当に追加的費用もなく、何かが向上するだけの余地がある、ヒマでサボッテいる大学教員、大学事務員がそんなにウヨウヨいると信じているのか?)ということになる。そのツケは誰が払うのか。

君たちである。直接には、われわれ大学人であるが。ということをそろそろ自覚して頂こう。

さて、この受験生はどうなるのか。どのような罪と罰がふさわしいのか。

これは難問である。偽計という罪が成り立つのだろう。たかがカンニングではなく、偽計業務妨害という犯罪を構成するから逮捕されたのである。次を参照。「犯罪かどうかを世論によって左右するのはおかしい」

http://togetter.com/li/107865

成人ではないというのも、問題をさらに難しくする。成人でも起訴猶予がある。執行猶予もある。こればかりは、初の判例となるので、わからない。まずは法律のプロが仕切るべきだろう。

問題はその先だ。法律上の罪が償われて、次に教育の場面だ。この受験生は永久に、大学を受験できないのだろうか。受験資格はないのだろうか。通常、受験資格は純粋に学歴だけ(つまり高校卒業相当)で良い。もちろん今は特例も多い。最終的には各大学の判断に任されている(はず、だが実際には横並び)。

たとえ少年少女が過去に犯罪を犯していても、大学は、あるいは会社は、それを知る手段がない。それゆえ、通常の人と同じように出願は処理される。しかしことがことだ。これほどネット情報網が発達したため、例えばマスコミ人は全員、この少年のほとんどすべてを特定している。またお節介な連中は、その情報を暴くことで嬉々としている。それゆえ、この場合、情報が出願大学に漏れることがよくあるのだ。

その時、どうするのか。むしろ大学人はそれを今から考える必要があるだろう。

そして非大学人も、結局は、この犯罪の余波が自分に少なからぬ形でかかってくることを自覚すべきであろう。







雑感 | trackback(0) | comment(1) |


2011/03/03 (Thu) 騙されるな国民よ

国民皆探偵の1人である柿柳です、こんばんは。

よい子の国民の皆様、騙されてはいけないよ。一応の犯人は捕まったことになっているけど、これが真相だと思うかい? そうじゃないだろう?

さて、当局はどうしても単独犯で終了させたいようだが、疑問が残るねえ。

(1)京大受験できるよい子が、なぜアシの容易につく手段で投稿していたのか。
    → SIMMを入れ替えていたんじゃないの? つまり犯人の替え玉だ。真犯人はまだいるぞ。

(2)4つの大学すべてで、試験監督の全員がぼんくらで居眠りをしていない限り、試験会場からの投稿は無理だぜ。
    → 1人ぐらいぼんくらであるかもしれないが、教室全員で、しかも4つ全員で、となると確率が低いぞ。1人のぼんくら確率を等分に0.25としておくと、一教室4人監督体制として、あはは、わかりません、俺の非関数電卓じゃ、計算できないよ。1/65536*65536 つうことだよ。とてつもない小さな確率だぜ。

 これで合ってるのかな。Yahoo知恵袋に聞いてみよっと。

(3)それはそれとして。真正な犯人情報が、どうも警察関係者だか、どっこから漏れすぎじゃないの?
    → 情報が操作されているぞ。 だって捜査中だもん。それはそれとして、都合良く、何日もかかって、
漏れ過ぎじゃないの? この間に、重大な出来事が決まっているぜ。

(4)それはそれとして、偽計業務妨害容疑って何だ。どんな行為も何かの妨害になるぞ。
   → それこそ、今回の狙いです。正しい道にたどり着きましたな。フフフ、名探偵さん。そのような、存在は許しておけませんな。


  ま、まて、話せばわかる。

 あ、ちょっと携帯を貸してと。「あ。あ、ちょっとピンチなんで、ネット検索でピンチの逃れ方、検索してください。超特急でね。」


 お後がよろしいようで。


雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2011/02/28 (Mon) カンニングの末路

海外から書き込みしている柿柳です、こんばんは。

さて降ってわいた京都大学カンニング騒動。これは大変だね。ここ海外でも緊急対策会議が開かれて、ああでもないこうでもないと、議論が白熱した。

どうも犯人は、とてつもなく抜けているか、とてつもなく頭脳犯か、いずれにせよ極点であろう、ということで認識が一致した。まだまだわからないことも多いが、いずれ判明するか、判明しないであろう。あ、これで全集合になるか。

いろいろな手段がありえるが、次のような手段であろう。もちろんネットの様々な意見を参考にしたので、独自な見解はない。

・試験会場に潜入した撮影犯人がいる。
・そのCCDカメラからの映像をキャッチした共犯が、ネット掲示板に投稿する。
・その結果は会場の撮影犯人にフィードバックしない。
・撮影犯人は各大学で受験するほど複数いる。
・ネット投稿する人物も複数いるが、同一のIDとパスワードを共有している。
・投稿の携帯電話は、ネットで拾ったID不明物である。

というところかな。

携帯電話の持ち込みにこだわる必要はなく、シャープペンにカメラが仕込んであるかもしれない。それを電波で飛ばして(その方法は不明)キャッチできるかが問題ではある。

いずれにせよ、複数の愉快犯ではないか。


さて、いずれにせよ残念な結果である。世の中で不公平や理不尽がはびこるのは常だが、大学の入学試験というのは人生において最も公平な瞬間の最後の場面だからだ。ここさえも不正が出てしまえば、世の中すべてに理不尽さが蔓延し、誰もが正当な努力をしなくなる可能性を持つ。

ゆえにこの事態の防衛には、すべての知恵を結集しなくてはいけないだろう。携帯電話で入力ということであれば、試験会場への持ち込みそのものを禁止することがありえるだろう。妨害電波を発信する手もあるが、電波法の制約を除かなくてはいけない。しかし極小なCCDカメラは見抜くのが難しい。それこそ、(スパイ大作戦のように)めがねに仕込んである可能性もあるのだ。

技術に対しては技術で対抗しなくてはならないだろう。ただ問題は、優れた頭脳と、通常の道徳や常識は、ほとんど何も関係がないことである。どちらの技術が勝るのか、それはわからない。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2011/02/24 (Thu) 電車の中で懸想する

電車の中で化粧した柿柳です、こんばんは。

いやいや、すまん、懸想でしたな。哲学者となっていたのだよ。


突然、論争となった電車の中で化粧する女に激怒するオヤジ伝説。あんまり長い修辞句は嫌われるよ。


むかしむかし、化粧とは秘められた空間で行う秘め事であった。なまめかしいな。

それがいつの頃からか、電車で化粧、という流行になってきた。これは何らかの革命なのだろうか。恥知らず女子が増えたのだろうか。それを注意したオヤジは万死に値するのだろうか。


わたくしの論点は、あまり行動様式は変わっていない、というものである。いずれも、日本においては、決定的に、「世間がいかに考えるか、その制約が個人を縛りまくる」という肝がある。ただし時代によって変わるのは、世間の範囲そのものである。

そのむかし、世の中がどんぱちやっていたころ、世間は血縁だけでなく地縁も意味したので、限りなく広い範囲にあった。家族や親戚のみならず、向こう三軒両隣は言うまでもなく、会社の同僚も電車で乗り合わせた人も、すべて世間であった。それゆえ、電車の中も、会社の中も、近所も、家も、ほぼすべて同じ行動様式が求められたのである。

しかし今は世間が徹底的に縮小した。地縁・血縁の衰退である。それゆえ、電車の中は世間ではもうないのだ。誰も知らないバラバラな空間に過ぎないのだ。そこでどのような行動をしようが、他人には関係ないではないか。群衆が集う電車の空間も、1人しかいない自室の姿見の前と、全く変わらないのである。なぜなら世間として指さしてくる他人の目がどちらも存在しないからだ。

ただし現在とて、世間はある。それはごくわずかな数人のゆるい友人・知人関係である。生徒時代は、この関係が決定的であり、ここで無視されたり、悪口を言われると、昔の世間から指さされて村八分になったように(実は二分は残っているのだが)、万死に値するのだ。もう生きていけないのだ。女子会、小学生・中学生・高校生(最近は大学生もだ)、という限定された空間では、この世間の論理が先鋭化された形で生き残っているのである。


という懸想を終えて、電車を降りた柿柳であった。

雑感 | trackback(0) | comment(1) |


2011/02/23 (Wed) テキスト案のランキングを上げる

テキスト庵週間ランキング第13位の柿柳です、こんばんは。


いやあ、がんばりましたね、ボク。長い間欄外だったので、久しぶりの20位以内、いいですね。

そこで、ランキングを上げる方法をこっそりと教えてあげよう。特に、最近、テキスト庵に加入した新人君は必見である。

(1)まず、猫の写真を貼る。にゃー。
(2)次に、自炊メシの写真を貼る。にゃー。
(3)さらに、妻の日記を暴露する。にゃー。
(4)ついでに、大河ドラマに突っ込みを入れる。にゃー。
(5)また、過激な暴言を吐きまくる。にゃー。
(6)またまた、貪欲なビジネスパースンを演じる。にゃー。
(7)それでも、子供の成長記録を暴露する。にゃー。
(8)とにかく、幹事になる。にゃー。
(9)なかんずく、同僚を揶揄する。にゃー。

と、ここまでは想定の範囲。さらに奥の手を教えよう。

(A)おっと、1日3回更新する。
(B)おいおい、更新した「あたらしいテキスト」において、自分のサイトを徹底的にクリックしまくる。

あはは、よい子は真似をしてはいけないよ。

[この物語はフィクションである。実在の存在と偶然に似ていたとしても偶然である。]


最後に、地道に素直にわかりやすく、適度に書くことである。




ところで生涯総合ランキングは14位なんだけど、この欠番の13位って誰だろう。今まで抜かされていないと思っていたんだが、いつの間に14位に後退していた。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2011/02/22 (Tue) ガッツン

週間13位、通算14位の柿凪です、こんばんは。

フフ、わたくしが本気を出せばこのぐらい、ちょろいもんですよ。ま、ただこれ以上、上にはいかないな。なにしろ強敵揃いだ。フフ府、再び、柿柳保管計画第2弾を始めるかな。。。



さてと、何の映画を見るかと迷っていて、『Gantz』を見ることにした。単に時間が合っただけである。

この話は少しだけ漫画で見たことがあった。物語とは関係なく、なぜかフロントページがセクシーすぎることが気になっていた話であった。だいたいの肝のアイデアはわかっているのだが、詳細は知らない。

という具合に、あまり先入観なく見てみた。この手のアイデアは動く映像の方が良いのではないかと思っていた。確かに良い。特に妙な星人が襲ってくる場面は良い。特に第2のラジカセ星人には笑った。ただし転送シーンは、もう少し驚かせて欲しかった。ちょっと作り物が見えるかな。

戦闘服であるところのコスプレシーンは、予想以上にはまっていた。そして主人公たちのイメージも壊れていない。特に挙乳であるところの女主人公1と、なぜか生き残るおっさん1、そしてライバル青年も。たえちゃんと呼ばれる女主人公2は、もう少しひ弱な方が良かったが、まあまあであろう。

星人と理不尽に戦う、という原作のアイデアにはあまりに感心した。これは世界のおたく界を席巻するすごみがある。これだけで十分だろう。

女主人公1はいきなり全裸で出現する。そのケツの丸みが非常によろしい。それだけで1000円ぐらいの価値がある。もてない男子、妄想全開の男子は必見であろう。

さて、この映画もエンドロールが始まってから、すぐに席を立ってはいけない。最後の最後で、驚愕の続きがあるのだ。それを見ないで帰ってしまうと、この映画を見たことにならない。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2011/02/20 (Sun) ジーン・ワルツ

蠢動した柿柳です、こんばんは。

映画『ジーン・ワルツ』を見た。つい最近、原作も読んでいたので、ちょうど良い機会だということである。文庫化されるタイミングで、封切りも行われる。

菅野美穂の主演である。たいして好きな女優ではないのだが、今回はよく演じていたのではないか。原作ではもう少し複雑な医療問題が議論されていたと思ったが、映画ではむしろかなり限定された人間関係のみが描かれている。

原作者は『チーム・バチスタの栄光』で大ベストセラーサッカーになった。その後、次々と医療ミステリを書き上げ、いずれも大売れ。わたくしも何作も読んでいるが、とにかく軽快。時にはあまりに無理な修辞となっているが、それでも疾走する語感がちりばめられている。

原作者のメッセージは実は単純で、医療対司法という戦いだ。実際、医療が崩壊しつつある大きな原因に、司法による強制介入が挙げられる。奇しくも、先日、心臓移植手術の和田医師が死去したところだ。

原作では明らかな司法との対決も、映画ではむしろ4組の妊婦を集中的に描いている。代理母の問題は含んでいるが、むしろ社会問題ではなく個人問題になっている。それはそれでありうる描き方になるのだろう。

エンディングが小田和正だったので驚いた。滅多に楽曲は提供しないだろう。

原作では続編もあるようだ。さっそく読んでみるか。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2011/02/19 (Sat) 予想では何位

焼き魚定食を頼んで、骨までバリバリ喰った柿柳です、こんばんは。

骨まで喰うとカリウムがあるんじゃないかと思ってね。カリウムじゃまずいか。カルカルシウムかな。いや、ストロンチウムかもしれない。

今日は特に書くこともない。この雑記帳は既に、本や映画の感想しかなくなっている。一時期中断していたが、その間に本の感想が貯まっていたので、たまたま毎日更新していたのである。1週間ずっと更新していると、テキスト庵何位になるだろう、という実験だったのである。予想では19位ぐらいではないか。

当たったら、なんかくれ。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2011/02/18 (Fri) 巣鴨プリズン

今日も脳天気な柿柳です、こんばんは。

今日はいきなり雷も鳴って、春雷の春雪であった。大変だな。

柳広司『トーキョー・プリンズン』角川文庫、2009.1 読了。

改めて太平洋戦争が俎上にあがる。しかも外国人の目を通してという創作のもと、である。巷の東京裁判陰謀説とは一線を画し、あくまでニュージーランドから来た闖入の探偵の目を通じた日常の戦争犯罪を明らかにしつつある。もちろんそこには大きな探偵小説的謎がある。

巣鴨刑務所に収容されている頭脳明晰な囚人。しかし記憶喪失であり、捕虜虐待という自分の犯罪を認識できない。囚人の集まりという衆人環視のもと、あり得ない毒殺事件が発生する。それを囚人であるところの戦犯と、部外者のニュージーランド人探偵がタッグを組んで解こうという謎。

そこに主人公の親友とその許嫁である妹が登場する。時代はまさに昭和22年。

探偵小説という単なる娯楽作品にもかかわらず、多くのことを考えさせてくれる。非常に読みやすい文体である。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


2011/02/17 (Thu) 壁の道

ビール飲み放題に釣られて入ったところ、発泡酒だと判明して激怒した柿柳です、こんばんは。

ゴラア、定員読んでこいよ! (あ、店員です、呼ぶ、です)こちとらビール飲み放題つうから入ったのに、これはいったい何の液体なのかな??? おいおいおい、いったいこれは何の液体なんだよ!!!


と、心の中で叫び、表面上は薄笑いを繕って、足早にその店を出た。

ハードボイルドの夜であった。


その後、『Wall Street: Money Never Sleeps』を見る。前作はすり切れるほど見ているので、満を持して見る。まあ、案外におもしろかったというところか。今回はわざわざ揺れの見せる描き方をする。金がすべてなのか、金意外にもあるのか、どちらにもとれそうな運び方ばかりである。マイケル・ダグラスには貫禄があるが、さすがに年を取ったなという印象。前作からもう20年以上は経っているのだ。これだけ長い期間をおいて続編が作られるのも珍しい。

ゲッコーの娘が大竹しのぶに見えるという感想を得たのだが、これは既にりなこさんが指摘していた。わたくしも同じ印象を持ったのである。ここでも揺れがある。信念によって拒絶するのか、それとも受け入れるのか。今回はわざとそれほど割り切れないということを描きたかったのではないか。

印象に残ったのは3つ。1つはFRBの会議の模様。本当にこうなっているのかどうかわからないが、おそらく綿密な取材をしているはず。このような描き方はなかなかなかったのではないか。机や椅子の装飾が楽しい。2つはチャーリーシーンが出てくるシーン。最初は、どうもそっくりさんかなと思ったほど。というのもこの俳優はもう病気などで映画に出ていないはずと思ったからだ。しかしどうも本人らしい。前作の主人公であった。その後の人生がどうなっていたか、実生活との対比がある。3つは日本の描かれ方。20年前はアメリカを買い付ける悪役であった。今はハリウッドでは描かれない。唯一、忍者という言葉が出てくる。それ以外はない。既に株の世界では、日本の役割はもうない。

雑感 | trackback(0) | comment(0) |


<< back | TOP | next >>

プロフィール

profky

Author:profky
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード